24時間営業をやめたファミレス&ファストフード店、売り上げや満足度は向上した?

24時間営業をやめたファミレス&ファストフード店、売り上げや満足度は向上した?

 人手不足や働き方改革により、さまざまな業界で24時間営業の見直しが進んでいます。大手ファミリーレストランやファストフードも深夜・早朝営業の短縮に取り組んできましたが、営業時間が短くなったのに、既存店の売上額が伸びた会社もあるようです。各運営会社に聞きました。

多忙時、リーダー級の配置が可能に

 全国217店(3月13日現在)を展開するファミリーレストラン「ロイヤルホスト」では2017年1月、24時間営業の店がなくなりました。2011年に営業時間の短縮に取り組み始めましたが、当時は43店が24時間営業をしていたそうです。

 運営会社「ロイヤルホスト」(東京都世田谷区)の広報担当者に聞きました。

Q.24時間営業を廃止した経緯は。

担当者「24時間営業を前提とした人員配置では、ランチタイムやディナータイムといった多くのお客さまが食事をされる時間帯に十分な要員を配置できず、『おもてなし』『コックがひと手間かけた料理』というロイヤルホストの強みを生かすことが難しくなっていました。

営業時間の短縮とともに、店舗の改装や全席禁煙化、商品戦略の強化を打ち出し、ブランド価値の向上を目指しました。深夜・早朝の営業時間を短縮して、ランチタイムやディナータイムに人員を手厚く配置することが、ロイヤルホストの強み発揮につながると考えました。

営業時間の短縮は、2017年に重点的に取り組みました。店舗の従業員が生き生きと働けるような環境を整えるためでもあります。2017年1〜3月期の3カ月間で約155店舗、営業時間にして1店舗あたり平均1.3時間、短縮しています」

Q.現在の営業時間は。

担当者「基本的な営業時間は午前9時〜翌午前0時の15時間です。各店舗の立地によって異なり、最も遅い店舗で翌午前4時までです」

Q.深夜営業の時間を短縮したことで客数や売り上げに影響は。

担当者「2017年は営業時間の短縮、2018年は休業日を3日設けましたが、既存店の売上高は前年比で102.0%(2017年)、103.2%(18年)といずれも前年を超えました」

Q.営業時間の短縮で現場の動きに変化は。

担当者「もともと、深夜や早朝の時間帯の人材採用は難しく、人員が確保できない際は社員のほか、店長や料理長など店舗のリーダー級の人員を配置していました。早朝・深夜の営業時間を短縮することで、こうした人員の勤務時間帯が変わります。多くのお客さまが来店されるランチタイムやディナータイムにリーダー級の人員が勤務できるようになり、スタッフの教育も含め、お客さまによりおいしい料理やおもてなしのサービスを提供できるようになりました。

一方、日頃よりご利用いただいているお客さまには、営業時間の短縮でご不便をおかけすることになりますので、地域に愛されるお店づくりと従業員の働く環境の整備とのバランスが重要ではないかと考えております」

Q.深夜営業短縮後、客や従業員からはどのような意見が寄せられていますか。

担当者「深夜帯にご利用いただいていたお客さまからは『残念』といったご意見を頂きました。一方、『良い取り組み』とご理解いただく意見も多数寄せられています。従業員からは採用活動の負担軽減や、ピークタイムにおける従業員教育の強化ができるといった意見が聞かれます」

Q.今後、営業時間のさらなる短縮は検討しているのでしょうか。

担当者「お客さまの利便性と労働環境改善のバランスを取りながら、店舗ごとに検討してまいります」

震災機に24時間営業見直し

 24時間営業のイメージが強かったファストフード店「マクドナルド」でも営業時間の短縮が進んでいます。日本マクドナルド(東京都新宿区)の広報担当者に聞きました。

Q.都市部でも深夜・早朝時間帯に営業していない店が増えた印象があります。

担当者「主に2014年から2015年にかけ、24時間営業店舗の縮小を行ったためです」

Q.なぜ24時間営業を見直したのですか。

担当者「2011年の東日本大震災以降、ご家族と家で過ごす機会が増えるなど、お客さまのライフスタイルに変化が見られ始めました。そこで各店舗で24時間営業のニーズがあるのかどうか再確認し、見直しました。営業時間を見直した店舗では、これまで深夜時間帯にかけていた労力を、昼の時間など他の営業時間帯のサービス強化などに充てました。

現在も、店舗ロケーションにより要望が強い店舗では24時間営業を継続しています。2018年末時点で、国内全2899店のうち24時間営業を行っているのは788店です」

Q.営業時間短縮による客数や売上高への影響は。

担当者「店舗ごとの売り上げや客数の状況はお伝えできませんが、24時間営業をやめた店では、深夜営業の労力をお昼の時間帯のサービス強化に振り分けたことで、お客さま満足度は向上したと考えています」

 一方、モスフードサービス(東京都品川区)は、運営するファストフード店「モスバーガー」の一部店舗の開店時間を2017年5月、それまでより1〜2時間遅くしました。

 広報担当者は「以前から個別案件として柔軟に対応してきましたが、2017年ごろから世間で働き方改革の機運が高まりました。そこで、チェーン本部として加盟店にアナウンスを行い、人員状況、売り上げなどを総合的に判断した結果、同年5月に数十店が営業時間を変更しました。店舗からの申し出による時間短縮で、短縮分の売上額は減少するものの、ランチ時のピークタイムに人員を増やし、増収につなげた店舗もあります」と話しています。

 深夜営業を見直すことで、店舗側はランチ、ディナーといった書き入れ時に専念できるようになりました。24時間営業に慣れた客にとっては不便に感じることもありますが、サービス向上に対する将来的な投資と思えば、納得できる部分もあるのではないでしょうか。


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