クリスマスでは、ケーキやチョコレートなどの「洋菓子」を食べる子どもが多いと思いますが、洋菓子の中には洋酒が含まれているものもあります。もし、子どもがアルコール入りのケーキや菓子を食べてしまった場合、健康への影響はあるのでしょうか。医師の市原由美江さんに聞きました。

急性アルコール中毒の恐れも

Q.洋菓子店で販売されているケーキや量販店で売られている洋菓子の中には、ラムやウイスキーなどの洋酒が使われているケースもあります。もし、子どもが食べてしまった場合、体調が急変する危険性はあるのでしょうか。

市原さん「洋菓子に含まれるアルコールは、通常のお酒のアルコールと同じと考えてください。例えば、スーパーなどで一般的に売られている洋酒入りのチョコレートの中には、3%超のアルコール分が含まれている製品もあります。子どもに食べさせてはいけません。商品のパッケージにも、そのような注意書きが記載されています。

もし、子どもが食べてしまったとしても、ごく少量であれば健康被害が出ることは考えにくいですが、子どもは量など考えずに食べるので、手の届かないところに置いておくべきでしょう。子どもの年齢にもよりますが、食べた菓子の量に比例してアルコール摂取量も増えるため、摂取量によっては急性アルコール中毒などを引き起こす可能性があります」

Q.子どもに食べさせてしまった、もしくは、子どもが誤って食べてしまった場合、どのように対処すべきでしょうか。

市原さん「一口程度であれば、水分をよく取らせて1日様子をしっかり見ておくことで対応は可能でしょう。もちろん、様子がおかしい場合は医療機関を受診しましょう。多く食べた場合、特に幼児で体が小さい場合は体の負担が大きいため、早めに医療機関を受診しましょう」

Q.お酒を全く飲めない体質の人など、大人であってもアルコール入りの菓子を食べたことで体調が悪くなることはあるのでしょうか。

市原さん「体質の関係で、アルコールを飲むと具合が悪くなる人がいますが、アルコール入りのお菓子の場合も同じです。食べる前に確認して、控えるようにしましょう」

Q.お酒を全く飲めない、あるいは、お酒に弱い人がアルコール入りの菓子を食べる際の注意点は。アルコールへの耐性を確かめる方法はあるのでしょうか。

市原さん「先ほども申し上げましたが、アルコール入りのお菓子は食べた量に比例してアルコール摂取量が増えます。少量であれば、お酒が飲めない人でも食べられる可能性はありますが、個人差があります。どうしてもアルコール入りのお菓子が食べたい場合、少量食べてみて様子を見ましょう。アルコールに対する耐性があるかどうかを調べるには、実際に食べるしかありません」

Q.アルコール入りの菓子を食べた後に車やバイクを運転すると、やはり飲酒運転になってしまうのでしょうか。

市原さん「呼気1リットル中のアルコール分が0.15ミリグラム以上で運転した場合、酒気帯び運転として道路交通法違反になります。ただ、この基準を満たすほどのアルコールを摂取するには、お菓子を大量に食べる必要があり、現実には、アルコール入りのお菓子を食べて違反になる可能性は低いです。

しかし、違反かどうかではなく、少量でもアルコールを摂取した後には運転をしないことが基本です。お菓子の注意書きにも記載されていますが、アルコール入りのお菓子を食べた後は運転してはいけません」

 なお、オトナンサー編集部が国民生活センターに取材したところ、担当者は「これまでに、アルコール入りのクッキーを食べた幼児が千鳥足になった事例や、ブランデー入りのパウンドケーキを食べた小学生が嘔吐(おうと)した事例が報告されています。いずれも症状は軽く、通院の必要はありませんでした。親がお菓子のパッケージをよく確認せずに子どもに与えてしまうことが背景にあります」と回答しています。