新型コロナウイルスの影響で在宅機会が増える中、「YouTube」などの動画サイトを見る時間が長くなった人も多いと思います。そのYouTubeで、筆者が「大変勉強になる」と思ったのが「中田敦彦のYouTube大学」です。これは、お笑いコンビ・オリエンタルラジオの中田敦彦さんの動画チャンネルで、内容は、世界史、日本史、哲学、宗教、政治、経済、数学、ビジネス戦略、偉人伝など多岐にわたります。

 その内容もさることながら、そうして情報発信すること自体に、実は「勉強になる」ポイントがあるのです。

解説することで知識が定着

 動画はタレントとして鍛えられた中田さんの話術が素晴らしく、登場人物になりきって声色を使ったり冗談を言ったりして、視聴者を飽きさせません。最初から大型のホワイトボードに学習内容をまとめて書いているため分かりやすいです。話す本人にとっても話しやすいし、とてもよい工夫だと思います。何よりすごいのは、約30分の動画を毎日更新していることです。

 そして、筆者が視聴しながら思ったのは「これは見ている人にも勉強になるけど、一番勉強になっているのは本人だろう」ということです。これだけの内容を事前に勉強し、ホワイトボードに要点を書き、カメラの前で話すのですから、勉強にならないはずがありません。

 よく言われている通り、インプットするだけの勉強よりもアウトプットする勉強の方がはるかに勉強になるのです。それで、筆者は「これを小中学生もやったらいいのではないか」と思った次第です。というのも現在、子どもたちの多くは学校に行けず、かといってオンラインでの授業も受けられず、親子ともども家庭で非常に悩んでいるためです。

 筆者がYouTubeで検索してみたところ、既にこれを実践している子もいることが分かりました。

 ある小学生は、縄文時代、弥生時代、気象などについて、中田敦彦さんと同じようにホワイトボードを使って講義しています。堂々とした講義ぶりで大したものだと思います。これは本人のために非常によい勉強になったはずです。

 中学生では、自分の勉強法、暗記法、集中力を高める方法、定期テスト攻略法などについて解説している動画がたくさんありましたが、勉強の内容について発信している動画は見つかりませんでした。このような勉強の内容について発信する中学生が登場するといいなと思います。

 そして、もう一つおすすめしたいのがYouTubeを使い、自分の好きなことについて発信することです。自分の趣味、熱中していること、得意なこと、習い事など、どんな分野でも構いません。

 例えば、小学生が趣味のレゴブロックについて発信している動画を見ました。その子は作品を作りながら手順やコツを解説しています。撮影者はお父さんです。また、ある子は得意な料理について発信しています。料理を作りながら、具材の切り方、混ぜるときの注意事項、盛り付けのコツについて解説しています。

 他に、漫画を描く動画、工作を作る動画、釣りの練習をする動画、サッカー少年が黙々と自主練習している動画、女子中学生が得意な書道の作品を書きまくる動画などがあります。これらの動画の中には、黙ってひたすら取り組んでいる姿を追った動画もあれば、発信者自身が感想を言ったり解説したりしながら進行する動画もあります。

 こうした動画は本人の励みになるので、好きなことをより深掘りすることにつながると思います。見られている、注目されているという状態だと、とにかく人間は張り切りますから。

 また、同時に大変よい勉強にもなるはずです。というのも、動画の中で話したり解説したりするとなればいいかげんなことは言えず、しっかり考えたり調べたりしなければならないからです。ぜひ、小学生や中学生に挑戦してもらいたいと思います。

一生もののスキルが身に付く

「YouTubeは見るだけ」の時代はもう終わりました。これからは発信する時代です。自分自身を発信するツールとして活用してほしいです。それによって、自分の世界を深掘りすることにつながるだけでなく、発信のノウハウも身に付きます。動画の内容を考えて企画を立てた後に、台本作成、準備、撮影、編集、アップする――などといった一連の過程を身に付けることができれば、一生もののスキルといえます。

 YouTubeで情報を発信する過程で、ネットのマナー、安全な使い方、個人情報の扱い方、禁止事項なども身に付きます。それらのことを教えるためにも、最初は親が積極的に関わっていく必要があります。例えば、「差別的な表現をしない」「個人情報の開示に気を付ける」などは親が教えてください。

 YouTubeで動画をアップロードするときのプライバシー設定(公開設定)も大事です。これは「公開」「限定公開」「非公開」の3段階から選べるもので、「いきなり公開はちょっと」と思ったら、非公開にするとか、親戚や親しい友人だけが見られるように限定公開にするなどといったことが可能です。

 そして、そうやって身に付けたことは、大人になってからも自分の仕事や私生活においても大いに役立つはずです。

 ある調査によると、日本の小中学生のYouTubeの視聴時間は世界トップレベルですが、動画の発信量は最低レベルだそうです。日本人にありがちなことですが、こういう受け身の状態ではつまらないですね。最後に、小中学生用の動画として思いついたアイデアをいくつか紹介したいと思います。

・折り紙が得意な子なら「折り紙の折り方について解説」
・スポーツをやっている子なら「(自分がやっているスポーツの)練習方法やコツについて解説」
・家事が好きな子なら、「風呂の洗い方、整理整頓の仕方、掃除の方法などについて解説」
・数学が得意な子であれば、「難しい問題の解き方について解説」

 小中学生の皆さんは、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。