新型コロナウイルスの影響で、今夏は、神奈川県内全域など各地で「海水浴場」の開設が中止となりました。しかし、海岸への立ち入りは可能なため、砂浜で遊ぶ人たちや海で泳ぐ人たちが現実にはいるようです。海水浴場が開設されていない海で泳ぐことは、どのような問題があるのでしょうか。例年、多くの海水浴客が訪れる神奈川県藤沢市の経済部観光シティプロモーション課の担当者に聞きました。

例年は60軒の「海の家」が並ぶが…

Q.例年の海水浴場と、今年の違いを教えてください。

担当者「例年は7月1日から8月31日(一部は8月第3週)まで、海水浴場を開設します。海水浴場を開設する場合は県の条例で、監視所や救護所、海の家(更衣、休憩、食事などのための仮小屋)の設置などが定められており、例年は約60軒の海の家を民間業者が運営します。今年は海水浴場は開設せず、海の家もありません」

Q.海水浴場を開設していない場所で泳いだ場合、何らかのペナルティーがあるのでしょうか。

担当者「海水浴場が設置されていない場所で泳ぐことは、条例などで禁止されていないため、実際に泳いでも罰せられることはありません。

当市では安全対策として、例年であれば海水浴場を設置している3カ所の海岸に、今年もライフセーバーを配置して監視しています。ただ、ライフセーバーの人員も新型コロナウイルスの影響で集まりが悪く、例年より少ない人数です。例年は多くの学生やボランティアの人たちが参加してくれるのですが、今年は新型コロナの感染を懸念する人もいて、志願する人が少なかったです。

また、海の家のような休憩場所を設置していないため、海岸で長時間遊ぶと熱中症になる恐れがあります。例年のように、安全に海岸で遊んだり、泳いだりできる状態ではありません。『海に行くな』と当市から言うことはできませんが、事故が起きても自己責任だと考えてください」

Q.海岸利用時、喫煙や飲酒のほか、バーベキューなどの調理器具や音響機器を使用した場合、条例などで罰せられる可能性はあるのでしょうか。

担当者「喫煙や飲酒、調理器具の使用については特に条例で禁止されていませんが、音響機器を使うと、場合によっては条例に抵触する可能性があります」

Q.海水浴場が開設されないことで海岸が無法地帯になることも懸念されていますが、どのような対策を行っているのでしょうか。

担当者「無法地帯化を防ぐため、市内の海水浴場組合の人たちが海岸内のパトロールを行っているほか、ライフセーバーが海岸利用者に対し、利用する際のルールの周知や啓発を行っています」

もし事故が発生したら…?

「遊泳は自己責任で」と市から注意されている中で事故が発生した場合、捜索や救助の費用はどうなるのでしょうか。海上保安庁安全対策課の担当者に聞きました。

Q.海水浴場が開設されていない海岸で水難事故が起きた場合、捜索や救助の費用は自己負担になるのでしょうか。

担当者「事故が発生し、捜索や救助が行われても、当事者に対し費用を請求することはありません。ただし、今年は泳ぐのは危険な状況です」

Q.どのように危険なのでしょうか。

担当者「今年は基本的に、海岸付近に監視員がいませんし、海に遊泳区域を示すブイが設置されていません。事故が起きた場合、発見が遅れる可能性もあります」

 なお、藤沢市は「遊泳はお控えください」と呼び掛ける看板を海岸に設置して、注意喚起しています。