東京都が実施した「テレワーク導入率緊急調査結果」によると、従業員30人以上の企業では、3月時点で24.0%、4月時点では62.7%に増加し、企業規模が大きいほど導入率も高くなる傾向が明らかになりました。事務・営業職が中心の業種では76.2%に、現場作業・対人サービス業務が中心の業種では約40ポイント増の55.0%に達しています。

 今後もテレワークが浸透していくものと予想されますが、どのオンラインツールを使用すればいいのでしょうか。今回は、TV・CM制作、動画制作などを手がける木村博史さんに話をうかがいます。近著に「Zoom 1歩先のツボ77」(ソシム)があります。

今までの働き方は通用しない

 Zoomを使いこなした人が、これからのビジネスの場で活躍できる時代がやってきました。オンラインイベントのやり方、ウェビナーのやり方、ミーティングの詳細設定など「Zoomを徹底活用しなければ、今後のビジネスは勝ち抜けない」と木村さんは解説します。

「Zoomは使いやすいツールです。しかし、大規模ミーティングやウェビナーをやりたいとか、効果的なプレゼンテーションをしたいといった、一歩先の使い方のためには少し突っ込んだ知識が必要です。YouTubeは基本的には1人が多数に対して発信するもので、双方向というより単方向のツールになります。それに対して、Zoomは参加者がタイムラグなく、お互いにやりとりができるツールであるということです」(木村さん)

「Zoomはネット上に会議室をつくるようなものだとイメージしてみてください。いろいろな場所から、参加者がネットを介して会議室に集まります。そこで、リアルタイムの音声やビデオ映像、資料などを使ってコミュニケーションができるわけです。さらに、会議室なので、誰に対してもオープンなわけではありません。参加者を指定し、それ以外の人には通信内容を秘密にするセキュリティー機能も充実しています」

 また、ビデオコミュニケーションツールはZoomだけではありませんが、「利用シーンによって使いこなさなくてはいけない」と木村さんは主張します。

「例えば、会社でCisco社のIPフォンを使っているのであれば、Cisco Webexがいいでしょうし、G−Suite(グーグルスイート)を使っているのであれば、Google Meetと相性がいいでしょう。ツールの特徴は目まぐるしく変わることもあるので、最新情報を入手して、あなたに一番合ったツールを選ぶようにすることが大切です」

各ツールの特徴を確認してみよう

【Google Meet】

Googleが提供。GoogleIDとの連携で、Googleカレンダーから簡単にミーティングを起動できるなどGoogleのサービスとの、連動性のよさが魅力。G−Suiteを採用している法人などでも連携性のよさが魅力です。

【Microsoft Teams】

Microsoftが提供。Office 365ツールとの連携機能で資料へのアクセスのよさが魅力です。また、多くの仕事の現場でMicrosoft Officeが利用されているので、多くの人とのプラットホームの共通性も魅力です。

【Cisco Webex】

以前から、多くの企業で採用されているビデオコミュニケーションツールの代表格。Cisco提供のため、IPフォンやインターネット環境にCiscoを採用している企業での採用が目立ちます。

【Skype】

以前から、一般ユースでのビデオコミュニケーションツールとして定番のサービス。Skype for Businessなどビジネス分野に特化したサービスも提供してきましたが、Microsoftの提供サービスであるため、Teamsへと移管傾向にあります。

【Facebook】

SNSの代表格ですが、Messengerの機能拡張としてMessengerルームをリリース。テキストコミュニケーションだけでなく、ビデオコミュニケーションでのユーザビリティーも訴求しています。

【LINE】

日本最大のユーザー数のSNSとして、ビジネスユースに限らず個人ユースでのビデオコミュニケーションツールとしての認知度が高いのが特徴です。今後、ビジネスユースに活用できる機能が追加されるかが注目です。

オンラインツールは運用次第

 新型コロナ感染拡大の影響で、私たちの生活は大きく変わりました。これまでの常識は過去のものとなりつつあります。営業活動を考えてみましょう。これまで、必須スキルと考えられていたアイスブレークや雑談は必要なくなります。コーチングスキルも意味をなしません。オンラインでは、いきなり各論に入り、短時間で交渉をまとめる必要性があるからです。

 日々の営業活動にも変化を及ぼします。営業トークに必要とされた、ウイットに富んだ言葉や会話も不要です。決裁権限のある人に適切なメールを送らなければ交渉は成立しないでしょう。上司への報告も同じことがいえます。管理型のマネジメントが増えると予想されるので、「報連相」を徹底して、より端的に伝えなければ評価されなくなります。

 急速に広まったオンラインツール。新型コロナ収束後もテレワークの動きは継続されて、今後の需要も高まりそうです。それに伴い、オンラインをどのように使いこなすのか、多くのビジネスパーソンに課題が投げかけられていることは言うまでもありません。