ラグビーの熱気を東京五輪へパス  大分・中津市で8回目の「オリンピックデーラン」

ラグビーの熱気を東京五輪へパス  大分・中津市で8回目の「オリンピックデーラン」

 日本中が熱気に包まれたラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会が終わっても、高揚感が残っている人が多いのではないだろうか。大分県もW杯予選リーグのニュージーランド戦のほか、準々決勝2試合(ウェールズ対フランス、イングランド対オーストラリア)が行われるなど街にはユニフォーム姿の外国人が数多く見受けられ、W杯ムードに沸いた。

 そんな中、来年に迫った東京五輪・パラリンピックに向けて開催ムードを盛り上げようと、快晴の11月10日、大分県中津市の大貞総合運動公園野球場でオリンピック選手と市民が交流するスポーツイベント「2019オリンピックデーラン中津大会」が開かれた。

 「デーラン」とは、国際オリンピック委員会(IOC)創設日の6月23日を「オリンピックデー」と定め、世界で行われているオリンピックデーイベントの一つ。日本では日本オリンピック委員会(JOC)が主催し、オリンピック選手と市民が一緒に走り、スポーツの楽しさを体験する試みとして、1987年から毎年実施している。

 2019年度の開催は「群馬県おおた大会」「北海道士別大会」などに次いで6回目(長野大会は台風19号の影響で中止)。中津市では8年連続の開催となった。

 中津大会には、オリンピック・ムーブメントアンバサダーの小塚崇彦さん(フィギュアスケート)をはじめ、高平慎士さん(陸上競技)、小谷実可子さん(シンクロナイズドスイミング=現アーティスティックスイミング)ら9人の五輪経験者が参加。家族連れを中心に約1000人の市民が選手と一緒に汗を流した。

 中津市の奥塚正典市長は「東京だけではなく、地域から盛り上げることで開催機運を高め、日本全体に勇気と元気を与えることができる」と地方でのデーラン開催の意義を語った。

 プログラムは、約2キロのジョギングや五輪選手との50メートル競争、トークショー、サイン会など多彩だ。デーランパートナー企業のJXTGエネルギー(ENEOS)のブースでは、聖火トーチを持っての記念撮影や、マスコットキャラクター「エネゴリくん」との触れ合いが人気を集めていた。

 50メートル競走では、2008年北京五輪陸上男子400メートルリレーで銅メダル(優勝したジャマイカの失格で「銀」に繰り上げ)を獲得した高平慎士さんがフル出場。ハンデなしで子どもたちとの真剣勝負で盛り上げていた。

 トークショーでは、各選手が五輪にまつわる思い出の品を持参し、披露した。レスリングの井上智裕さんは、リオデジャネイロ五輪に出場した際のユニフォームを見せながら「12キロ減量して大会に臨んだ」という経験を話した。小谷実可子さんは、1988年のソウル五輪でソロ、デュエットで獲得した銅メダルを掲げた。1992年のバルセロナ大会では補欠で終わり「うれしいことも悔しいこともあったが、すべてがその後の肥やしになった」と語った。

 参加した市民は、地元の家族連れが多く、会場となった野球場の芝生に腰を下ろしながら五輪選手の話に耳を傾けていた。小学生と幼稚園の子ども3人と一緒にデーラン用のTシャツ姿で参加した東峰竜輝さん(42)は、ラグビーW杯で盛り上がったこともあり、東京五輪も「(7人制)ラグビーに興味がある」と話した。今年で4回目の参加という松原孝行さん(47)は、小学6年の息子と楽しんだ。「(デーランは)恒例イベントです」と笑った。家族5人で初参加の会社員河野卓郎さん(35)は「五輪は水泳や陸上、柔道など楽しみな競技が多いけど、東京は遠いのでテレビで応援することになりそう」と話していた。


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