今や最も手厚い“おもてなし”は、しっかりした感染防止対策かもしれない。この一年、なかなか足を運べなかったコンサートや映画、舞台鑑賞だが、その愛好家たちに実施した「クラシック音楽・舞台芸術におけるオンライン鑑賞実態調査」(サントリーパブリシティサービス・東京)によると、文化芸術施設に求めるものが、利便性や音響施設の充実から、空調設備やロビーの広さなどに変化していることが分かった。安心して楽しめることが一番のサービスだ。

 全国の20〜60代で、2019年に1回以上、オーケストラやオペラ、演劇などの公演を鑑賞した1,034人を対象に調査。そもそも2020年は、鑑賞「0回」という回答が25%を占め、一定数は外出を控えていたことが分かる。もっとも一度でも来場した残り4分の3の人のうち、7割は「感染症対策は十分であった」と回答しており、現地に来てある程度不安は解消されていることがうかがえた。

 そこで、鑑賞者が施設に求めるものを、コロナ前後で比較したところ、コロナ前は1位だった利便性(立地)は4位に、2位だった音響設備の充実は5位と大きくランクダウン。代わりに空調設備の充実が3位から首位に、9位だったロビーの広さは2位にランクアップ。感染症対策への注目度が浮き彫りになった。