【Cat News Network】(猫びより 2018年1月号 Vol.97より)

駅の利用客を見守る鉄道ねこ

英国にはいくつかの鉄道路線でスタッフとして迎えられている猫(私は“鉄道ねこ”と呼んでいます)がいて、以前本誌でもご紹介したことがあります。でもそれはたいてい観光目的の保存鉄道の猫たちです。ここで紹介するメス猫フェリックスは、通勤通学用の在来線の駅に常駐する、英国ではちょっと珍しい存在なのです。

ロンドンから約3時間ほどの北部にあるハダースフィールド駅に、子猫の時に迎えられたフェリックスは、現在駅のペスト・コントローラー(疫病を運ぶネズミを駆逐する役割)として活躍中。でも、彼女はその役割以外に、毎日駅のホームに出ては、列車の発着のチェックもしているため、利用客の注目を集めるようになりました。

彼女の姿がフェイスブックで紹介され(自身のアカウントがあり、12万3千人を超えるフォロワーがいます)、地元の利用客のみならず、遠方からも彼女目的で来る人も増えました。彼女が現れると、大人も子供も大喜び。彼女には専用ネームタグや休憩所もあり、ファンからキャットフードやイラスト、人形などさまざまな贈り物が駅に届きます。

(写真・石井理恵子)

大聖堂に暮らす猫

ロンドンで、市民にも観光客にも人気のバラ・マーケットに隣接するサザーク・カテドラル(大聖堂)。1905年以降この地域唯一の英国国教会の大聖堂で、2014年にはその長であるエリザベス女王も訪れました。

さてここにはドーキンス・マグニフィキャットという立派な名前を持った猫がいます。2008年のクリスマス時期に大聖堂のドアの前に現れたのをきっかけに飼われるようになったメス猫です。Doorkinsと綴るのですが、これはドアの前にいたことと、教会にいるのになぜか無神論者のDowkinsという人の名前両方をもじった、少し風変わりな名前がつけられました。

ドーキンスは聖堂内を自由に歩き回り、礼拝や見学に来た人の注目を浴び、可愛がられてきました。若い頃は、大聖堂のバラ・マーケットにも遠征してネズミ捕りをしていたそうですが、今は主にキャットフードを食べ、午前中はおとなしく大聖堂の椅子に座ったり、暖かい日は敷地内の庭のベンチにいることが多いそう。ただ人が多くなると疲れるらしく、午後はクリプト(地下の聖堂/納骨堂)に引きこもることも。売店ではドーキンスグッズやカードが販売され、売り上げに貢献しているようです。

(写真・荒木隆師)

サザーク・カテドラル http://southwark.anglican.org/cathedral

※聖堂内の撮影は許可が必要です。入り口のデスクかショップで確認を。

(文・石井理恵子)

Rieko Ishii
ライター兼エディター。雑誌編集者を経て主にペット、映画、英国をテーマに原稿を執筆。著書は『鉄道ねこ』『パブねこ』(新紀元社)、『美しき英国パブリック・スクール』(太田出版)他多数。現在2匹の保護猫と同居。