2118人が新聞広告で「令和もSMAPファン」宣言、その熱き思い

2118人が新聞広告で「令和もSMAPファン」宣言、その熱き思い

 SMAPは結成が1988年、CDデビューが1991年、そして解散が2016年末。昭和に誕生し、平成を駆け抜けてきた。時代は「令和」に変わったが、令和になってもSMAPのファンは応援メッセージを送り続けている。

 ファンによって思いは異なるだろう。今でもSMAPをただただ応援したい人もいれば、ジャニーズ事務所を脱所した「新しい地図」(稲垣吾郎、香取慎吾、草なぎ剛)の3人を応援する人や、残った中居正広、木村拓哉のますますの活躍を願う人、そして再結成を願う人もいる。思いは様々だが、令和になってもSMAPのファンであることを伝えたい人が世界中に存在する。

 SMAPについては、解散発表後からファンがネット上で連帯し、様々な動きを見せてきた。発端はCDデビュー25周年となる2016年9月9日の前に遡る(詳細は後述)が、2019年11月18日の朝、SMAPファンがクラウドファンディングで集めた資金を基にした新聞広告が一斉に登場する。

 9月20日までクラウドファンディングのプラットフォーム「MOTION GALLERY」には『みんなで伝えよう!新聞広告でSNSで「令和もSMAPファン」宣言!』が立ち上がり、400万円の調達目標に対し、2118人から1277万3000円が集まった。クラウドファンディングでは以下のように呼びかけられた。

〈新聞で「わたしたちはSMAPファンです」と宣言します 新聞広告掲載が目標です〉

〈令和になってもSMAPファンは変わらず存在していると広く伝えたい!実現したいことはこれだけです〉

 この意図と発足の経緯について、「発起人」はこう語る。

「平成を振り返る報道などで久々に『SMAP』が取り上げられた半面、新しい時代になると、“なかった”かのように露出がなくなるのでは、という懸念がありました。時代は変わっても、令和になっても、SMAPファンは変わらず存在し続けることをカタチにしたい、自分たちなりのファンの在り方を知ってもらいたい、という想いが強まり、仕事も家庭も抱え、また国内外に点在する有志5人で一念発起しました。ただクラウドファンディングも広告も素人だけにすべて手探りで始め、プロでなくともデザインソフトを使いこなせるファンも勧誘し、メンバーは6人になりました」

 どれだけ賛同してもらえるか見当もつかず、当初は東京新聞の半面を目標に呼びかけを始めたが、目標の3倍超の資金が集まったため、新聞一面に広げて更に同じ新聞社が発行する中日新聞、北陸中日新聞も使って、ファンの思いが詰まった広告が掲載されることになった。

 なぜファンはSNSで連携しつつも「新聞広告」という手法を使うのか。実はSMAPファンと新聞広告の間には長い歴史がある。2016年8月、SMAPの解散発表に傷つきながらもファンは翌月に控えた25周年に「何か発信できないか」と考えた。ツイッターをはじめとしたSNSでは、「新聞に広告を出そう」というアイデアが出たのだが、さすがに全国紙に全面広告を出す場合、金額は高過ぎる。そんな中、「個人広告」を皆で出せばいいのでは、という提案が出たのだ。

 この案を基に新聞各社へ問い合わせ等をファンは行い、結果的に同年9月9日に東京新聞、河北新報、北日本新聞、西日本新聞などに5人を応援する個人広告が多数掲載されたのだ。特に東京新聞の個人広告欄「TOK TOK」(当時・現在は「T-Voice!」という新しい欄に)には84件も寄せられた。そしてこの動きは単発で終わらず、署名活動などで心身を削るファン同士で元気づけるかのように再びSNSで呼びかけ合い、11月1日には東京新聞に200件を超える個人広告が載った。

 その後もメンバーの誕生日やベストアルバム発売日に「SMAPファンが一斉に新聞の個人広告を掲出」といった流れが定着し、さらに「SMAP大応援プロジェクト」と題されたプロジェクトではファン1万3000人からクラウドファンディングで集められた資金を使い、年末の朝日新聞で大々的に応援広告を掲載された。この広告は日本新聞協会の新聞広告賞で優秀賞に選ばれた。なお、地方新聞の個人広告欄には2017年以降も節目の日にSMAPファンのメッセージが載り続けている。

 そして、2017年9月22日。独立した稲垣、香取、草なぎの3人が「新しい地図」の活動開始を、東京新聞・朝日新聞での見開き全面広告で宣言した。3人は新聞広告という形で繋がったファンに対し、自らも新聞広告の形でアンサーを送った形となった。この広告は2018年に両新聞社でそれぞれ広告賞を受賞するに至った。

 こうした流れを経た上での11月18日の新聞広告掲載だが、「発起人」は今回の広告掲出の意図をこう語る。

「ただただ『わたしたちはSMAPファン、今もこれからも変わらない』という想いです。それを、令和元年に胸を張って言いたかったのです。ビートルズファンがずっといるように、SMAPファンもずっといる、と。それぞれに色々な想いはあるはずですが、このプロジェクトではファンだけでは到底及ばないような現状の変化は求めず、皆が一貫して『変わらない』と自信を持って言える気持ちだけを掲げようと決めました」

 また、広告掲載日が「11月18日」になった経緯についてはこう語る。

「はじめはSMAPのCDデビューから『9月9日に掲載したい』とも思いましたが、いろいろなクラウドファンディングサイトを調べたり、問い合わせや慣れない作業を繰り返すうちに、間に合わず。それ以前に、9月9日は新聞休刊日であることに気づきませんでした。また大事な記念日である9月9日には台風15号が、そして10月には台風19号が日本に大きな被害を及ぼしました。特に9月はクラウドファンディングの募集のさなかで、心を痛めました。」

 最終的に、掲載日はSMAPのヒット曲『SHAKE』発売日である11月18日となった。今回目標を大きく上回る金額を調達できたことに対してはこう感慨を語る。

「最初は一人でも二人でも賛同の輪が広がってくれればと思っていたので、想像をはるかに超える反応に驚きました。その一方、『浮かれてないで集まった皆さんの深い想いをしっかりとしたカタチにしなければ。“広告に関しては素人だから…”と甘えてはいられない』と大きなプレッシャーを感じましたし、掲載直前の今も、はたして期待に応えられたか、どんな反応があるのかと、緊張感でいっぱいです。」

 いま達成感はあるか、今後はどう活動していくのかについても尋ねると、

 「無事掲載は決まったものの、まだ紙面を手にしてないですし、クラウドファンディングの条件としてつけた支援への“リターン”を果たせてない状況なので、達成感はありません。そしてその先のことはまだ何も考えられないです。

 クラウドファンディングによる新聞広告はリスクもあることなので、なんの肩書きも無い私たちが何回もやれることではないように思います。何をやるにしてもこの有志メンバー6人が1人でも欠けたら難しいプロジェクトでした。全員心身共に元気で揃わないと…。SMAPファンの今までの大きなアクションはいずれも全て違う発信元でしたので、また必要な時期が来たら想いを同じくする、別のファンのグループが立ち上がって行動していく――ような気もします。『SHAKE』を聴いた時、この広告や仲間のつながりを思い出してくれるかもしれないから。ひとつ言える大事なことは、これからも、皆で全力で彼らを応援し続けるということだけですね。

 広告を見た人たちが、SMAPファンってホント諦めが悪いなぁ…、この人たちはどうして3年経ってもここまでするんだろう?って疑問を持ってくれたり、SMAPってそんなに魅力あるのかな?って興味を持ってくれたら嬉しいです。令和2年も、3年も、その先も、SMAPファンの誰もがSMAPの話で盛り上がり、また音楽などを通じて新たにSMAPファンになる仲間が増え続けてほしいと願っています」

 それでは最後に今回の発起人からSMAP元メンバーへのメッセージを紹介する。いずれも本人が個人の名前を出したいというわけではないため、【1】〜【6】としておく。

【1】心身共に健康で、心から笑えて、良いお仕事をして、エンタメの世界でキラキラしていてください。ファンもタレントもお互い最善を尽くし強くなって、幸せに生き抜きましょう。

【2】とにかくファン思いの彼ら。健康で居てさえくれればまずはファンも幸せです。海外からも多くのファンがこれからもずっと応援し続けます。

【3】どんなことも自分たちの口からファンに伝えてくれていた5人を信じています。それぞれが歩んでいる道を応援しています。その道の途中で手を離すつもりはないです。ちゃんと繋いでます。自身のやりたいこと思いっきりやってください。これからもずっと大好きです。

【4】心から好きな気持ち、これからも見続けていたいという気持ちはずっと変わらない。きっと、これからもずっと変わることはないだろう。一秒 一瞬 一目でもいいから花のような笑い顔を見たいと応援しています。

【5】私たちにとってはいつまでも“元”のつかないSMAPメンバーです。私たちの手作りの広告をぜひ見てほしいし、込められた大勢のファンの想いを素直に受け取って、これからのエネルギーにしてほしい。全員エンタメの世界でずっと元気で現役でいて、それぞれのやりたいことを極めて、私たちを楽しませてください。その先の新しい地平を見られる日まで応援頑張ります。

【6】SMAPほどファンを愛してくれたグループは無いです。その愛に応えたい。「ずっと追いかけていて」「いつまでも繋がっていて」あの言葉こそ彼らの心からの叫びだと信じてるから、ずっとずっと5人を追いかけ、繋がっていようと思います。これからも一緒に歳を重ねていきましょう!


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