新型コロナの影響で、楽しみにしていた新ドラマの放送も延期となり、悶々とする日々──。そんなあなたの心を満たすため、放送作家の山田美保子さんが「昔といまを見比べる」をテーマに過去の名作ドラマをセレクト。今回は、多くのドラマ評論家をうならせた『泣くな、はらちゃん』を紹介します!

【『泣くな、はらちゃん』】
・日本テレビ 2013年1月〜
・出演:長瀬智也・麻生久美子・菅田将暉・薬師丸ひろ子 ほか
・主題歌:『リリック』TOKIO
・脚本:岡田惠和
・あらすじ:かまぼこ工場に勤務する独身女性の越前さん(麻生久美子)はノートに漫画を描くことだけが楽しみ。ある日、漫画の登場人物・はらちゃん(長瀬智也)たちがノートから飛び出して実体化。越前さんが幸せになれば自分たちの世界も明るくなると現実の世界で奮闘するが、いつしかはらちゃんは越前さんに恋心を抱く。以下、山田さんの解説だ。

 私が心の中でずっと“追っかけ”をしている脚本家・岡田惠和さんのオリジナル作品。いまはドラマの多くが「原作モノ」であり、やや厳しいことを言わせていただけば、「リライター」というか、それが得意で局側から呼ばれる脚本家さんも少なくないのです。ちなみに、『東京ラブストーリー』で名を上げた坂元裕二さんは、いまはオリジナルにものすごくこだわっていらっしゃいます。で、『泣くな、はらちゃん』ですが、この作品は、特に、イラストも描かれるドラマ評論家のかたの多くが「マイベスト」に挙げる名作です。

 ヒロインの麻生久美子サン(41才)が描く漫画の主人公(長瀬智也クン・41才)が実体化して現実の世界に現れて、創造主であるヒロインに恋をするファンタジー。岡田さんが漫画原作者でもあるからこそ誕生した作品と思われます。このとき、麻生サンの弟役が菅田将暉クンで、次クールの『35歳の高校生』へと連続出演し、そこからいっきにスターへの階段を駆け上がっていきました。

 実は岡田さんの作品の中で私のベストであり、これまでに「好きなドラマ」と聞かれたら必ず挙げていた『輝く季節の中で』(1995 年・フジテレビ系)について書かせていただこうと思っていたのです。医大のポリクリ(臨床実習課程)で同じグループになった石田ひかりサン(47才)、保阪尚希サン(52才)、中居正広クン(47才)、篠原涼子サン(46才)、井森美幸サン(51才)による青春群像劇の名作中の名作。ですが、「VHSしか出ていない」ということで断念いたしました。

 岡田さん作品は『若者のすべて』(1994 年・同)や『ビーチボーイズ』(1997 年・同)、『バンビ〜ノ!』(2007 年・日本テレビ系)、さらにはNHK連続テレビ小説(朝ドラ)にも『ちゅらさん』(2001 年)、『おひさま』(2011 年)、『ひよっこ』(2017 年)と、主人公やその周りの人たちを応援したくなる作品だらけ。

“追っかけ”なので(笑い)、舞台『ミッドナイト・イン・バリ〜史上最悪の結婚前夜〜』(2017 年)や、映画『いちごの唄』(2019 年)など、岡田惠和さん脚本と聞けば、もれなく拝見しております。

◆構成/山田美保子
『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)などを手がける放送作家。コメンテーターとして『ドデスカ!』(メ〜テレ)、『アップ!』(同)、『バイキング』(フジテレビ系)、『サンデージャポン』(TBS系)に出演中。CM各賞の審査員も務める。

※女性セブン2020年5月7・14日号