1分間に12問。解答までの時間は、問題の読み上げを含めて「1問あたり5秒」しかない。最高視聴率29%、1969年から1990年まで続き、その後復活もしたクイズ番組『クイズタイムショック』(テレビ朝日系)には、番組冒頭に決め台詞があった。

「現代は時間との戦いです」

 初代司会を務めた俳優・田宮二郎が番組冒頭で言うように、『クイズタイムショック』は時間との勝負だった。60個のランプが楕円形に配置された壁の中央に解答者の座る椅子が上昇すると、出題が始まる。

「1秒に1個ずつランプが消えていくから、見ているこっちも緊張する。正解でも時間内に間に合わないとダメで、非情にも次の問題が読み上げられていく。ヒリヒリするような緊張感がありました」(62・自営業)

 当時、さまざまなクイズ番組で優勝を重ね、「クイズ王」のパイオニア的存在だった北川宣浩氏は、1977年、23歳の時に5週連続勝ち抜きを成し遂げた。

「『タイムショック』では古い言い回しに関する問題がよく出るので、ことわざ辞典を買って勉強したりしていました。でも一番はやはりどれだけ冷静に戦えるか。難しい問題でも『わかりません』では得点にならないので、何かカンで答える。それで当たることもありました。

 思い出深いのは、田宮二郎さんが収録前にわざわざ20代前半だった僕のところに来て、『田宮です。よろしくお願いします』と、あの長身を折って頭を下げ、挨拶してくれたことです。とても折り目正しい方で、人としての“一流の振る舞い”を教えていただいた気がします」(北川氏)

 田宮が1978年9月に司会を降りた後、2代目司会者となったのが、俳優の山口崇だ。

「依頼が来た時、最初はお断わりしました。でも、あと3か月で番組が終わるからと聞き、引き受けることにしたんです。結局、1986年まで8年間も司会を続けることになりましたけどね(笑い)。

 解答者のプレッシャーは相当なものでしたね。『いま何問目?』『1問目の答えは何?』といったクイズは、『タイムショック』ならでは。不意を突いたり、リズムを変えたりして解答者を揺さぶるんです」(山口)

【画像のクイズの答え】
Q1:合点、Q2:笠、Q3:安国寺、Q4:セプテンバー(9月)、Q5:スイッチョン

※週刊ポスト2020年5月8・15日号