「女子アナ」──才色兼備なお茶の間のアイドルとして定着して早数十年。テレビというメディアの発展を支えた一翼でもある彼女たちを語る上で、外せない存在がフジテレビである。1980年代から視聴率三冠王を独走した同局の黄金時代を支えたのは、紛れもなく「女子アナ帝国」と呼ばれたタレント性抜群の女子アナたちであった。

 個性豊かな“最強軍団”はいかにして誕生したのか。女子アナウォッチャーの丸山大次郎氏が考察する。

「実はフジテレビは女子アナの人気で他局に遅れを取っていました。その遅れを取り戻す転機が1981年です。秋の大改編で『楽しくなければテレビじゃない』のキャッチコピーの下、硬派路線から一変。『ひょうきん族』に山村美智子アナ、『なるほど・ザ・ワールド』に益田由美アナを起用して人気を得ました。

 極めつきがNHKの頼近美津子アナの電撃移籍です。当時はフジの女子アナは契約社員でしたが、頼近アナは初の正社員となった。それに伴って社内の他の女子社員も全員正社員となり、自立した世の女性たちの憧れの存在になったのです」

 個性豊かな面々が集まりだしたのは1980年代後半。きっかけは中井美穂アナだ。

「山村・益田アナの人気に加え、中井アナが『プロ野球ニュース』に起用されたことで一気にタレント化に火が付きました。同年、有名な河野景子・八木亜希子・有賀さつきの『三人娘』が入社、タレント化が進み、しばらく不動の時代を迎えます」

 2001年3月、危機的な状況を迎える。番組改編に伴って多くの女子アナが一斉に退社してしまったのだ。

「その苦境を救ったのが翌月に入社した高島彩アナです。彼女がエースへ成長、内田恭子アナや中野美奈子アナが続き、2回目の女子アナブームを迎えます」

 しかし、その盛り上がりは2016年の加藤綾子アナの退社を最後に下降の一途を辿る、栄華を誇った帝国は、現在まで長い冬の時代を迎えている。

■写真/ロケットパンチ

※週刊ポスト2020年5月8・15日号