近年、テレビでの活躍がめざましいギャル系タレント。藤田ニコルや“ゆきぽよ”こと木村有希らと並んで、その代表格に位置しているのが“みちょぱ”の愛称で知られるモデルでタレントの池田美優だろう。

 こんがりと日焼けした肌に派手めなメイクといったギャルらしいスタイルを堂々と貫きながら、老若男女が目にするテレビというメディアで自らのポジションを確立したみちょぱ。SNS上での人気もすさまじく、TwitterとInstagramのフォロワー数はどちらも100万人を突破している。

“ギャル”という属性を前面に押し出した彼女が、なぜここまで幅広い層の視聴者から支持を得られているのだろうか。4月に著書『恋愛資本主義社会のためのモテ強戦略論』(実業之日本社)を上梓したモテコンサルタント・勝倉千尋さんは、「ギャルのイメージと、本人のまともさの“正のギャップ”」が高い好感度の大きな理由と分析する。

「マイナスなイメージのものがプラスのイメージの要素を備えると、“正のギャップ”が発生して好感度が爆上がりします。ギャルというと“タメ口で態度が悪い”といったイメージもあるかと思いますが、みちょぱさんは親しみやすい言葉づかいでありながらも基本的には敬語で話しますし、無礼なこともせず、どんな相手に対しても丁寧な対応をされています。一般的なギャルのイメージと、実際のみちょぱさんの常識的で端正な言動のギャップが、彼女ならではの不思議な魅力を生んでいるのでしょう」(勝倉さん、以下同)

 去る4月2日には、テレビ朝日系のトークバラエティ番組『アメトーーク!』で「みちょぱスゴイぞ芸人」が放送された。その内容は、みちょぱと共演した芸人たちがトークスキルやバラエティタレントとしての資質を称えるというもの。とりわけ、ずんの飯尾和樹やオアシズの大久保佳代子が強調していたのが、彼女の“相槌”の秀逸さだった。

「おじさんは話を聞いてくれて、自分に興味を持ってくれることが嬉しい」(飯尾)、「ノリがちょうどいい。転がしている感を見せずにアシストができる」(大久保)といったように、共演者たちは口々にみちょぱのハイレベルな傾聴力やリアクション力について証言。“モテ”の専門家である勝倉さんから見ても、そのスキルは並大抵のものではないようだ。

「絶妙な反応で相手の話をぐんぐん引き出して、トークを盛り上げる技術は卓越しています。ギャルキャラということを勘案し、少し馴れ馴れしい印象もあえて演出しつつ、一方で相手を不快にさせない距離感の測り方もプロの技ですね。そのバランス感覚が、視聴者や共演者を魅了し、番組的にも重宝される武器になっていると思います」

 勝倉さんによると、みちょぱの相槌には大きくふたつの特徴があるという。

「ひとつ目は“否定しない”ということ。相手の意見に対して、まずは『うんうん』『そうなんだ』と受け入れたうえで、自分はそのあとに発言をしています。これによって相手は話しやすくなりますし、続くみちょぱさんの言葉が反対意見だったとしても、すんなりと受け止めることができるのです。

 そしてもうひとつは、“リアクションが濃い”ということ。みちょぱさんは他人の話に対して、じつに楽しそうに、興味深そうな反応を示しています。人間は自分が一番好きなものなので、興味を持ってくれる相手には好印象を抱きやすい傾向があります。ごく自然に『あなたの話をもっと聞きたい!』と伝えてくれる“相槌力”の高さも、みちょぱさんが多くの人に愛される理由ではないでしょうか」

 また『アメトーーク!』では、アンガールズの田中卓志によるみちょぱへの“セクハラ発言”も波紋を呼んだ。他の芸人も「みちょぱは下ネタへの対応がいい」という形で便乗したことで、テレビ業界の時代錯誤感や女性蔑視的な思想が浮き彫りになり、SNS上では田中のほか番組制作陣への批判の声があがった。

 ナインティナインの岡村隆史によるラジオでの発言と同様に大きな炎上となってもおかしくなかったところだが、みちょぱは放送翌日に〈セクハラやらなんやら心配の声が届いてますが、あたしは嫌だと感じたら嫌と言える人だから言ってないってことは嫌だとは思ってないってこと!〉とツイート。〈そりゃあ気持ち悪 とはなるけど本気で言ってくる人なんてあたしの周りにいない 笑〉と田中の失言をフォローした。ことの是非はさておき、SNSの使い方についても、いかにもデジタルネイティブ世代らしい手練れた印象を与える。

 21歳という年齢でありながら、みちょぱはさまざまな思惑がうごめく芸能界の荒波をしたたかに乗りこなしているようだ。彼女が出演する番組を視聴する際には、共演者のポテンシャルを引き出す“相槌力”や、優れたバランス感覚に着目してみるのも一興だろう。

●取材・文/曹宇鉉(HEW)