冷たい夜風も心地よいとばかりにニヤリと笑う男性。1月上旬、都内で仕事終わりのキングコング・西野亮廣(40才)だ。昨年末に満を持して公開した、自身の絵本が原作のアニメ映画『えんとつ町のプペル』が、100万人を動員。狙い通りのヒットに思わず笑みがこぼれたのかもしれない。

「本人はこのヒットにも満足していないようですよ。彼は『ディズニーを超える』と豪語していたぐらいですから。今後は海外での上映も決まっていますし、まだ数字は伸びる可能性はありますね」(映画配給会社関係者)

 その西野が、オリエンタルラジオ・中田敦彦(38才)とともに、講談師の神田伯山(37才)から、突然の“口撃”を受けた。中田とあるテレビ番組で共演した神田が、「中田さんってキングコングの西野さんと同じ枠。全部の方向性が金なんじゃないかなって」と指摘したことが始まりだという。このときのことを1月15日、自身のラジオ番組で振り返った神田は、「吉本のトップの人たちを超えようというときに、どっちがお金持ってるかってことで勝負しているんじゃないですか? 僕は芸で勝負したいんですよ。最終的に『あの芸にはかなわない』ってところで芸人は頭下げると思うんで……」と、中田の芸人としての姿勢に“ダメ出し”をしたと明かしたのだ。

 西野も中田も、現在はお笑い以外の仕事で大成功している。ネタ番組で笑いを取ることより、ビジネス成功者として崇めてくれる“信者”を作ることに注力していると揶揄されることもある。

 日本のお笑い界には、明石家さんま(65才)とダウンタウン・松本人志(57才)という、すべてを手に入れてなお、笑いを追求するレジェンドがいる。お笑い番組のディレクターが語る。

「当然、さんまさんや松本さんみたいになれるのが理想なのでしょうが、みんながそうなれるわけではありません。西野さんも中田さんも大先輩たちと同じ土俵では勝負にならないと考え、ほかの道に転身したのではないでしょうか」

 昨年、東野幸治が「僕ら後輩芸人は1度はマネしようとダウンタウン病になる。結果、超えられないと分かって方向転換して、いち早く病を治した者から成功を収めている」と話した。実際、お笑い第4世代といわれるナインティナイン、くりぃむしちゅー、第5世代といわれる有吉弘行、サンドウィッチマンらは、テレビ業界で別のポジションを見つけて成功してきた。

 その松本は、西野が絵本作家への転身を表明し“芸人引退”を宣言(その後すぐに「漫才をする絵本作家」へと引退を撤回)した際、「人を楽しませることがうれしい」という気持ちがお笑い芸人になるきっかけや根本であると苦言を呈したうえで、「今どれくらいの人を楽しませているのか、1日で誰を笑わせたのか。もっと振り返ってみたら見えてくるような気がする」と芸人としての姿勢を諭した。

「ただ、松本さんは西野さんのやり方を完全に否定しているわけでもないでしょう。その後も共演はしていますし、西野さんの戦略に感心していましたから」(前出・お笑い番組ディレクター)

 西野が描く未来は、松本が歩んできた道とは違うかもしれない。しかし、「人を楽しませたい」という思いは同じはず。西野が見せる姿は、新たな芸人のスタイルなのかもしれない。