『君をのせて』(1971年)でのソロデビューから50年目となるジュリーこと沢田研二(72才)。昨年、新型コロナウイルスに感染して亡くなった志村けんさん(享年70)の遺志を引き継ぎ、14年ぶりの映画主演を決意した彼に、ファンの間では称賛の声が上がっていたが、ここにきて不穏な動きを見せ始め──。

「試写会も終わり、後は公開を待つだけなんですけどね。本当によい作品に仕上がったので、早く多くのかたがたに見ていただきたいのですが……」

 複雑な面持ちでこう話すのは、映画『キネマの神様』のスタッフだ。『キネマの神様』は、松竹映画の100周年を記念して製作された大作映画。人気作家・原田マハの小説を原作とし、山田洋次監督(89才)がメガホンを取った。

 主演には志村けんさんと菅田将暉(28才)が抜擢されたが、撮影を目前にして志村さんは新型コロナウイルスに感染し、帰らぬ人に。さらに、コロナの影響で昨年4月からの撮影は中断。当初12月予定だった公開は大幅にずれ込んだ。

 志村さんを失ったことで、一時はお蔵入りの危機にもあったという本作。その窮地を救ったのが、志村さんの代役に白羽の矢が立った沢田研二だった。

「厳しいスケジュールの中、なんとか撮影を終えました。緊急事態宣言も明けているだろう今年4月16日の公開を目指して、急ピッチで編集作業などの準備を進めてきました」(前出・映画スタッフ)

 しかし、2月中旬、突如公開の再延期が発表された。新たなスケジュールは現状、明らかになっていない。準備はほぼ終わっているというのに、いったいなぜ。その裏にあったのは、ほかならぬあの人の存在だった。

「実は、沢田さんが4月の公開を承諾していないそうなんです。それどころか、最近は“窓口”も閉鎖して連絡もつきにくくなっているとかで」(前出・映画スタッフ)

 本作の撮影に並々ならぬ決意で臨んでいた沢田。志村さん亡き後、山田監督から直々に代役のオファーを受け、その場で快諾したという。

「沢田さんは、かつて志村さんと同じ事務所に所属しコント番組『8時だョ!全員集合』などの番組でも共演経験があります。沢田さんは2006年を最後に映画出演から遠ざかっていましたが、盟友ともいえる志村さんの代役とあって、覚悟を決めて挑んだそうです。撮影では、毎回すさまじいほどの集中力で迫真の演技を見せ、14年ものブランクをまったく感じさせませんでした」(芸能関係者)

 その沢田がなぜ、映画公開に難色を示しているのだろうか。実は、ここのところ沢田をめぐって、いくつかの異変があった。その1つがファンクラブの解散だ。

「昨年末、突如ファンクラブを解散したんです。昨年は、コロナのあおりを受けて、沢田さんもライブなどの音楽活動は中止を余儀なくされていました。そんな中で年末、ホームページに突然、新型コロナの収束が見えないとして『令和2年12月26日をもってファンクラブを解散する』と書かれた文章が発表されていたんです」(音楽関係者)

 続いて、年が明けて1月には個人事務所を閉鎖したと報道された。

「事務所の代表は、以前と同じく『ザ・タイガース』の仲間だった岸部一徳さんで、登記上は役員の入れ替わりもなく、破産の形跡もない。それなのに、電話がまったくつながらなくなり“音信不通状態”になっているのです」(テレビ局関係者)

 コロナ禍で活動が制限されているとはいえ、沢田には根強いファンがいまもたくさんいる。

「ファンクラブと事務所の閉鎖は、音楽業界でも話題になっています。『ジュリーはもう芸能活動を引退するのか』、『あの歌声をもうライブで聴くことはできないのか』などと多くの業界関係者が衝撃を受けていました」(前出・音楽関係者)

「時期をずらしませんか」

 そして極めつきが、今回の延期騒動だ。沢田には、2018年に「会場が満席になっていない」としてさいたまスーパーアリーナでのライブをドタキャンした過去がある。

「このドタキャン騒動のインパクトが強すぎて、今回の映画の延期についても『またドタキャンか!?』とザワついたスタッフもいました。でも、事実は違うんです。原因は新型コロナ。実は沢田さんは、糖尿病の持病があって、感染を人一倍恐れているんです」(前出・映画スタッフ)

 基礎疾患を抱えている人はコロナに感染すると重症化しやすいとされているのは周知のとおり。特に糖尿病の場合は、血糖値をうまくコントロールできないと重症化や死亡のリスクが2〜2.5倍にまで高まることが報告されている。

「撮影の現場でも、沢田さんはスタッフに闘病を明かし、感染予防のため、細心の注意を払っていました」(前出・映画スタッフ)

 代役のオファーを引き受ける条件として、沢田は「映画の宣伝のためにテレビや舞台挨拶に出ることはできない」と提示していたという。

「でも、映画の撮影が順調に進み、多くの人に見てもらいたいという気持ちがより強くなったのでしょう。7月にクランクアップを迎える頃には、『できる範囲で協力したい』という姿勢に変わっていたそうで、いまでは宣伝スタッフも大きな期待を寄せています」(前出・映画スタッフ)

 しかし、ここでも沢田は強いこだわりを見せた。

「宣伝をやるからには、心置きなく全力で取り組みたいそうです。でも、テレビや舞台挨拶に登場すれば、その分多くの人と接することになる。山田監督もご高齢ですし、宣伝に駆けずりまわって感染リスクが上がることを恐れているんです。

 コロナがもう少し収まってからという思いが強く、沢田さんが『時期をずらしませんか。万全の態勢でこの作品を届けたいんです』と山田監督を必死に説得して再延期が決まったというわけです。つまりこれは彼なりの男気なんですね。

 映画の延期は、沢田さんの体調悪化が原因なのではないかと心配していたスタッフもそれを聞いて安心していました」(前出・映画スタッフ)

 奇しくも沢田にとって、今年はソロデビュー50周年の記念すべき年。彼自身もそれをまったく意識していないわけではないだろう。

「50周年記念として、4月28日には、1973〜1990年のTBSの出演映像を集めた7枚組のDVDボックスが発売されます。『8時だョ!全員集合』はもちろん、『ザ・ベストテン』『日本レコード大賞』での歌唱シーンも収録され、ファン垂涎のDVDになることでしょう」(TBS関係者)

 さらに、所属事務所の一件も「現在は、仕事の窓口を妻で女優の田中裕子さん(65才)が所属する『アニマ出版』に移しているそうです」(別の芸能関係者)という。

 2月下旬、寒さも和らぎ春の訪れを一層強く感じさせる日、田中とともに散歩を楽しむ沢田の姿があった。黄色いサングラスにニット帽をかぶった田中と、大きなマスクを鼻の上までしっかりと装着している沢田。どことなくリンクするふたりの服装は仲のよさを感じさせる。

 事務所の閉鎖や映画の公開延期について尋ねたが、無言で立ち去った。コロナが落ち着いた暁には、全国のファンに元気な姿を見せてほしい。

※女性セブン2021年3月18日号