元祖・スー女が語る相撲ブーム「ようやく時代が追いついた」

元祖・スー女が語る相撲ブーム「ようやく時代が追いついた」

 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、相撲ブームを分析。

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 4月17日、フジテレビ広報部から『大相撲夏巡業「大相撲ODAIBA場所2017」』開催が発表されてからというもの、巷の“スー女”が、この話題でおおいに沸いている。

 フジテレビお台場移転20周年を記念した「大相撲ODAIBA場所」は、8月23日(水)、24日(木)の両日。臨海副都心青海R地区の「お台場特設会場」に、2日合わせて9000人の大相撲ファンが訪れる予定だ。

「お兄ちゃん」こと、第66代横綱・若乃花以来、19年ぶりに誕生した日本人横綱・稀勢の里が2場所連続優勝を果たし、件の若乃花と貴乃花による「若貴ブーム」以来とも言われる相撲ブームが到来。会場に連日「満員御礼」の垂れ幕が下がる光景が当たり前になってきた。

 実は、稀勢の里が横綱昇進を決める数年前からブームの兆しはあった。主役は女性ファンで、彼女たちは「スー女(じょ)」=相撲女子と呼ばれ、「カープ女子」(広島カープファン)や「プ女子」(プロレスファン)らと共にメディアに度々取り上げられている。

「スー女」たちは、イケメンの若手力士やハーフ力士をアイドルのようなニックネームで呼ぶのを始め、力士を「かわいい」と感じているようで、そうした層を取り込もうと、各種イベントもあるそうだ。LINEスタンプや、イケメン力士とのカラオケ大会もあると聞いた。

 芸能界にも「スー女」を自認している若手タレントは多く、「鉄子」(鉄道女子)としても知られる『ユアタイム』(フジテレビ系)キャスターの市川紗椰、ホリプロスカウトキャラバン出身者の山根千佳、AKB48の田名部生来。さらには、元大関・若島津(現・年寄・12代二所ノ関)と元アイドル歌手・高田みづえ夫妻の長女でモデルのアイリは、『PON!』 (日本テレビ系)で相撲解説をするほどだ。

 そんな「スー女」たちにリスペクトされ、ベテラン力士はもちろん、若手力士からも信頼されている“元祖・スー女”横野レイコさんに聞いてみた。

──いま、なぜ相撲ブームなのだろうか。

「相撲本来の魅力に、ようやく時代が追いついて来たということではないでしょうか。力士だけでなく、歴史や伝統の奥深さにハマっている人が多い。相撲の底力を考えたら、不祥事で人気低迷のときでも、いつか必ず人気が上昇する日が来るという確信が私にはありました。遠藤、逸ノ城、稀勢の里はあくまで“きっかけ”なのです」

──「スー女」は、なぜ増えたのか。

「いまの草食化した男子に物足りなさを感じている日本女性が、相撲に興味を抱き、稽古を見て、その迫力に魅了されているのではないでしょうか。ジャニーズJr.からトップアイドルになるまで育てあげるような気持ちで、お目当ての力士を関取に育てあげる喜びもあるし、スポーツとしてのドキドキ感、伝統美、師弟の秘話など、働く日本女性がハマるツボが満載。白と黒の世界に命をかける純な男たちの素顔は実に愛おしいのです」

 フジテレビ系のワイドショー『3時のあなた』『おはよう!ナイスデイ』、そして『とくダネ!』でもおなじみの横野さんは、件の「大相撲ODAIBA場所」が情報解禁される前から、「長年、通っているフジテレビのあるお台場で夏巡業が開催されるなんて夢のよう」とコーフン気味だった。

 横野さんの「スー女」歴は長く、既に30年以上。出身地・大阪市の小学生時代には、場所が始まると、祖母と共に、NHKの『大相撲中継』とテレビ朝日の『大相撲ダイジェスト』を「フルコースで見ていた」のだという。

 その後、件の若島津が1983年1月場所で大関に昇進した際、「この顔、タイプ!」と一気にファンになり、本場所はもちろん、巡業にも「全国行脚しました」というから、まさに“元祖・スー女”だ。

 ケーブルテレビの契約アナウンサーを経て上京。フジテレビ系ワイドショーのリポーターになってからの横野さんは、事件から芸能まで、幅広いジャンルの現場からリポートし、女性ならではの目線と丁寧な取材が好評で、いまに至る。

 が、なんといっても、現在の専門は「相撲」。情報番組で専門分野をもつことの重要性を教えてくれたのは、昨年12月、急逝した大先輩リポーター、武藤まき子さんだったという。

 横野さん同様、芸能や事件以外に、「皇室」「歌舞伎」という強みをもっておられた武藤さん。訃報が飛び込んできた翌朝、横野さん他、多くのリポーターやMCの小倉智昭氏が『とくダネ!』で35分にもわたってトップで武藤さんを偲んだ際には、森繁久彌さんや森光子さんら、大スターと談笑する武藤さんのVTRが流されたものだ。

 横野さんも、「若貴ブーム」から、ほぼ紅一点の状態で相撲の現場を取材してきたので、親方勢からも全幅の信頼を寄せられている。

「土俵に女性が上がれないことは皆さん、御存知でしょうが、それ以外にも、本場所中の支度部屋など女性が入れてもらえない場所はあります。そんなハンディキャップがあるのを知っているからこそ、多くの力士が私に優しくしてくれるのではないでしょうか。強い人ほど優しいのです。女性だからこそ、男性記者には言えないような恋愛話を喋ってくれることもありました」と横野さんは振り返る。

“元祖・スー女”横野レイコさんには、相撲関連の媒体からの取材も多く、そんなとき、「肩書はなんにしますか?」と問われ、「相撲ジャーナリスト」と提案されることがあると聞く。しかし、横野さんは「自分はワイドショーがスタートでしたし、どんな取材でも現場が大切との気持ちから『相撲リポーター』でお願いしています」という。

 今年の春場所、稀勢の里が逆転優勝した千秋楽も、朝から取材をしていたという横野さんは、「協会、親方、力士、記者のほとんどが優勝を諦めていたのに、“諦めない心”で引っくり返した稀勢の里の強い精神力には頭が下がりました。ほんまに、ええもん、見せてもらいました。歴史の証人として、稀勢の里がこの先どんなドラマを見せてくれるのか本当に楽しみです」と目を輝かせた。

“現場主義”の相撲リポーター・横野レイコさんの姿が必ず見られる『大相撲ODAIBA場所2017』には、大相撲ならではの食べ物やグッズも多数用意されているという。横野さんのようなベテラン「スー女」はもちろん、新人「スー女」も楽しめること間違いナシだ。

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