数字をもってる芸能ネタ続出でワイドショーの夏枯れナシ

数字をもってる芸能ネタ続出でワイドショーの夏枯れナシ

 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、芸能スキャンダル続出で、このところ活況を見せるワイドショーについて。

 * * *
 自宅前、滋賀の実家付近…と唯一、松居一代に接近できていた『直撃LIVE グッディ!』(フジテレビ系)が、ついに、松居のボランティア先、福岡県朝倉市でインタビューを成功させた。

 最近のユニフォームともいうべき黒のトップスの首に手ぬぐいを巻き、その手ぬぐいにピンマイクを着けた(!)松居一代。やはり、この人はワイドショーを熟知している。

 表情も言葉遣いも語彙も、すべてテレビモードに変え、同番組のフィールドキャスター、大村正樹氏の質問に、余裕の表情で答えたのである。

 現在、松居発進のSNSからは当初の過激さが消え、夫や不倫相手と思い込んでいる女性への攻撃もなくなりつつある。

 そんな松居が新たに打ち込んでいるのはボランティア。理由の一つに、九州地方が豪雨や土砂災害で甚大な被害を受けていた頃、ワイドショーのトップニュースが自分になってしまった“お詫び”を兼ねているのだそうだ。

 7月の月間平均視聴率が5.9%(ビデオリサーチ・関東地区)と歴代トップとなった『バイキング』(同)からの流れが良く、『〜グッディ!』の視聴率も急上昇している。

 この“流れの良さ”というのには、『バイキング』のエンディングと『〜グッディ!』のオープニングで坂上忍と安藤優子がやりとりをするだけではない。『〜グッディ!』が冒頭から旬な芸能ネタ長尺で、どこよりも執拗に扱うことによって、“やじうま”姿勢を貫き数字を上げている『バイキング』とのテイストが似通ってきたという意味合いが含まれる。

『バイキング』の下世話さは関西地区ではもっとウケがいいらしく、『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)との視聴者層が大きく異なる『情報ライブ ミヤネ屋』(同)は、真裏の『〜グッディ!』よりも『バイキング』を気にしているらしい。

 思えば『バイキング』と『〜グッディ!』は、小出恵介関連のニュースも長尺で扱っていた。特に『〜グッディ!』は大阪に件の大村氏を飛ばし、独自に周辺取材を重ね、地道に数字を上げてきたものだ。

 実際は、先鋒となって取材を続けた大村氏やMCの安藤優子が、どれほど芸能ネタに興味をもっているかはわからない。同じくMCの俳優の高橋克実は、ひじょうにうまく立ち回っているものの、まさかここまで『〜グッディ!』が芸能ネタを扱う番組になろうとは予想していなかっただろう。

 高橋のみならず、同業者のスキャンダルには「コメントしづらい」としている“タレントMC”は少なくないのである。

 そして“ニュースキャスター”安藤優子は、もっとも芸能ネタに遠いところに居た人だ。忘れられないのは安藤が夕方の『スーパーニュース』を担当していたときのこと。ラジオ番組での失言で大バッシングを浴びた某歌姫サイドが「他局に比べ、若い視聴者=F2(35〜49才の女性)が多く見ているから」との理由で、「安藤さんの『スーパーニュース』でだけ」インタビューを受けたのである。

 当時そのネタは、女性視聴者の最大関心事であり、その歌姫が沈黙を破り、同番組にだけ独白することになったのは“スクープ映像”に間違いなかった。

 が、インタビュアーは安藤ではなかったうえ、そのVTRが終了し、スタジオに降りた際、安藤優子は目線をカメラから外し、見事にノーリアクションで次のコーナーへと進めたのである。私は関わりをもちたくない…というような冷めた表情だった。

 あれから9年。民放4位にまで視聴率が落ち、社長交代を始め、新体制になった同局周辺から「安藤優子も小倉智昭もリストラ対象」「グッディを終わらせたがっている」なるウワサも聞こえてくるなか、背に腹は代えられないということなのか。明らかに芸能ネタへの姿勢が前のめりになり、積極的にコメントをする安藤優子に視聴者がジワジワと付いて来ている。ちなみに、松居一代の独占インタビューを冒頭から長尺で扱った8月3日の『〜グッディ!』(一部)の視聴率は5.5%。『〜ミヤネ屋』は6.7%。かつて、トリプルスコアともいわれた数字の差は、ここまで接近しているのである。

 さて、数字をもっている芸能ネタには、いくつかの特徴がある。まずは、視聴者におなじみのタレントのスキャンダル。ベッキーや小出恵介などは、これにあたった。

 いわゆるデイリーの“エンタメ情報”にも数字の高低はある。民放局にとっては、“マル是”と呼ばれている大手スポンサー絡みのイベントでは、絶対に外さないのは柳沢慎吾とダチョウ倶楽部。サービス精神がハンパないからだ。そして、なぜかオバサンにも人気の高い広瀬すず登壇のイベントのVTRは分計が山を描いている。

 そしてもうひとつ、松居一代のような、かつての“ワイドショースター”には、やはり往年の視聴者がテレビの前に集まってくれるのである。

 この文脈でいうと、斉藤由貴にも数字があるハズだ。会見の模様を報じた8月4日の各ワイドショーの視聴率が出るのは週明け。ひじょうに楽しみだ。

 同時にオンエアされたのが、斉藤由貴が20代の頃の囲みや会見映像だ。文春砲のトップページにあった「魔性も再ブレーク」の意味がわからず、キョトンとしていた若いアナウンサーやスタッフを尻目に、アラフィフ以上の芸能デスクやリポーターは目を輝かせながら“過去素”をチェックしていた。

 尾崎豊さんとの不倫は、二人が北海道旅行をしていた際、一般の方がまわしていたビデオが発端。別に隠し撮りをしたワケではなく、そのカメラに向かって嬉しそうに微笑む斉藤由貴。その後、会見で長い間を置いて尾崎さんとの間柄を「同志です」と答え、その2年後、川崎麻世との不倫騒動を起こした際、自らを「学ばない人間」と分析した。

 そうしたVTRも今回、長尺で流され、さらに、夫の釈明会見を腕組みをしながら鬼の形相で見守っていたカイヤという、ワイドショー史に残る会見も掘り起こされた。

 このVTRは、峰竜太が妻の海老名美どりとツーショットで行った不倫謝罪会見と共に、いまでは“おもしろVTR”として芸能アーカイブを扱うバラエティー番組でオンエアされるものだった。が、まさか、主語が斉藤由貴になって再び見ることになるとは…。

 いずれにせよ、往年のワイドショースタッフにとっては“古き良き時代”のVTR。ちょっとした熱愛報道でも会見を開かされたり、リポーターに追いかけまわされたり、家のチャイムを押しまくられたりした頃の話だ。

 こうした映像をF1(20〜34才の女性)やF2が「新鮮に感じてチャンネルを留める」のもイマドキの特徴だ。

 数年前までは「脱ワイドショー」を目指していたハズの生の帯番組でさえ、いまは迷わず芸能ネタをトップにもってきている。ライトなエンタメ情報に特化している『ZIP!』や、芸能スキャンダルを一切扱わない『ヒルナンデス!』(共に日本テレビ系)がこの流れをどう見ているのか?

 とにかく今夏は“夏枯れ”がなさそうだ。

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