「クボケー」こと久保恵子 現在は薬剤師として薬局に勤務

「クボケー」こと久保恵子 現在は薬剤師として薬局に勤務

 いまや朝の顔として定着した「お天気お姉さん」。その元祖といえば、”クボケー”こと久保恵子だ。女子大生キャスターとして人気を博し、その後に続く”道”を作った彼女に、抜擢のきっかけや、今だから話せる当時のエピソードを聞いた。

 * * *
 当時は理系学部に通う大学3年生でした。マスコミの仕事に興味があって、アナウンス塾(圭三塾)に通っていました。そこで同期の子たちと「ミスコンに出る?」みたいな話が持ち上がったんです。

 私は興味がなかったのですが高額なパソコンが景品だと聞いて、それに釣られて上智大の「ミスソフィア」に出場したらグランプリに選んでいただいて。それがきっかけで、アナウンス塾を主催していた圭三プロダクションの方からフジテレビの番組『FNN おはよう!サンライズ』で「女子大生キャスターを探しているから出ないか」と誘われました。当時フジの人気者だった河野景子さんが同じミスソフィア出身だったので選ばれたみたい。私も朝の番組なら学業にも影響はないしなぁ、と思って引き受けました。

 いざ始まってみるとすごく大変でした。朝4時に迎えの車が来て、テレビ局に着くやいなやメイク、着替え、原稿を読む練習とアタフタ。番組に出演し、9時に終わると大学に直行して夜まで研究室にこもって……という毎日の繰り返しで、恋愛とは無縁でしたね。

◆「スカートが 風でめくれて……」

 番組では、地名が読めなくて苦労しました。「私、理系なので(笑い)」と言い訳しながら境鶴丸アナや先輩アナに原稿の読み方を教わって。知識もないから、キャスターのラグビー元日本代表・上田昭夫さんに「何かスポーツされてたんですか?」なんて素っ頓狂な返しをして周囲を青ざめさせていました。

 当時の私は”実験台”みたいな感じで、梅雨の時期になるとカエルやてるてる坊主の着ぐるみを着せられました。風が強いときの撮影では、スカートがめくれ上がって、「キャー」と必死でスカートを押さえながら座り込んでしまうこともあった。素人丸出しですよね(笑い)。

 ちょうど半年で番組が終わる頃、別の番組のオファーもいただきましたがお断わりして、薬科大を受験し直しました。薬剤師免許を取得してからも芸能活動は続けましたが、「ちょっと違うなぁ」とも感じていました。

 そんな時、夫(Bリーグ・川崎ブレイブサンダースのヘッドコーチ、北卓也氏)と出会って結婚し、本格的に薬剤師の仕事にシフトしました。今では昼間は薬局に勤務するかたわら、夫のチームの女将的な感じです。

 右も左も分からない学生時代にテレビに出演できた経験は、人生の糧になりました。挨拶の大切さはもちろん、薬局でお客様と話すスピードや間の取り方なんかにも役に立っています。いま活躍しているお天気お姉さんたちのことも、陰ながら応援しています。

取材・文/河合桃子 撮影/井上たろう


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