川上哲治氏の持つ通算勝利数1066勝を抜き、巨人歴代1位となった原辰徳監督。2人の名将には、はどんな繋がりがあるのだろうか──。

 原監督は川上氏が現役引退した1958年に生まれている。その3年後に川上氏は巨人監督に就任し、1965年からV9を達成。1974年に退くまでの監督通算成績は1066勝739敗61分けだった。

「原さんがドラ1位で巨人に入団したのが1981年。当時、NHKの解説者としてキャンプや多摩川グラウンドに顔を出していた川上さんは、新人の原さんに打撃指導しました。その時のことを原さんは『体の近くを通るようセットしたマシンで練習したら、いきなり1試合2ホーマーの結果が出た』と振り返っています」(スポーツ紙ベテラン記者)

 2013年10月に川上氏が逝去した際は、こうコメントしていた。

「プロ野球、読売巨人軍にとって燦然と輝く大先輩でした。現役の時、打撃指導を受けたのを覚えている。(川上氏の)指導方法を生かさせていただいています」

 原監督は1995年に現役を退き、2002〜2003年、2006〜2015年に巨人で指揮を執り、2019年から3度目の監督を務めている。

 川上氏の影響は現役引退後にも及んだ。

「原さんは師弟関係にある藤田元司・元巨人軍監督を通じて、川上采配を学びました。現役引退後に巨人とつながりの深い日本テレビではなく、NHKの解説者になったのも同局に影響力を持つ川上さんの推薦があったからといわれています」(前出・スポーツ紙記者)

 川上野球の影響を大きく受けている面がある。『監督 原辰徳研究』を上梓した野球評論家の江本孟紀氏(73)はこう評価する。

「川上監督はチーム内で競争させたが原監督も負けてはいない。生え抜きも外様もベテランも若手も関係なく、良ければ使うし悪ければ外す。それも二軍だけでなく三軍まで落とします。ONを競わせて周囲の選手に緊張感を与えた川上監督の厳しさに共通する面があります」

※週刊ポスト2020年10月2日号