逆流性食道炎を招く生活習慣 「大声カラオケ」「満腹食」など

逆流性食道炎を招く生活習慣 「大声カラオケ」「満腹食」など

 胸やけ、ゲップ、胃もたれ……症状だけ聞くとどうせ“食べすぎ”だろうと思ってしまうが、油断してはいけない。「逆流性食道炎」の可能性もあるこの症状、放っておくと重大な疾病につながる恐れがある。

 食道の胃に近い部分に『腺がん』ができやすくなったり、高齢者になると胃に入った内容物が食道内を逆流して誤って気管に入ってしまう誤嚥性肺炎を引き起こすリスクもあるという。命をも脅かす“サイレントキラー”なのだ。

 では、逆流性食道炎はどう治療すればよいのか。おおたけ消化器内科クリニック院長の大竹真一郎医師が説明する。

「プロトンポンプ阻害薬と呼ばれる胃酸の分泌を抑える薬を処方されるのが一般的です。ただし、あくまで胃酸を抑えるだけで逆流を防ぐわけではないので、服用をやめるとぶり返してしまうことが多い。服用が長期にわたれば副作用で腎臓を悪くする恐れもあります」

 そこで必要になってくるのが生活習慣の見直しだ。

「食事後すぐに寝ると逆流性食道炎を引き起こすことにつながります。満腹になるまで食べるのは避け、脂っこいものも控えたほうがいい。飲酒、喫煙なども逆流性食道炎の原因になるので節制が必要です」(同前)

 大阪市立大学の2016年の研究によると、禁煙に失敗したグループでは18%しか逆流性食道炎が改善しなかったのに対し、禁煙に成功したグループでは43%に症状の改善が見られたという。

 さらに、おなかに圧力をかける行動が逆流性食道炎を招くという。国立国際医療研究センター国府台病院の上村直実名誉院長がいう。

「最近は猫背の人が増えている影響で若い人にも逆流性食道炎が多くみられるようになりました。姿勢が悪いと内臓に圧がかかり、腹圧が高くなる。すると下部食道括約筋が緩んでしまう。同様に、きついベルトをしたり、しゃがむ作業なども腹圧を上げやすい」

 また、便秘も消化管の渋滞を招いて腹圧が高まるため、若い人でも逆流性食道炎を引き起こす原因になる。

 このほかにも逆流性食道炎を招く習慣はいくつかある。カフェインや酸っぱい飲み物は、逆流性食道炎の原因となる胃酸の分泌を促進してしまうため、胸やけを感じる人などは注意を払いたい。自覚症状がある人は、ミントやトウガラシなども胃を刺激するため同様に控えたほうがいいとされる。

 横になる際は、左側を下にするのが正解だ。「胃は左右で比べると左側の方が大きく膨らんでいるので、左を下にして寝たほうが逆流しにくい」(同前)からだ。反対に右向きで寝ている人は要注意。

 意外なところでは、「大声を出す」こともリスクだという。

「カラオケなどで大声を出すと腹圧を上昇させ、逆流性食道炎を招きやすい。飲食後は気をつけたほうがいいでしょう」(同前)

 食後すぐの入浴も注意が必要とされる。

「湯舟につかり、お腹に水圧がかかると、やはり腹圧を上げてしまい逆流につながってしまう。入浴は食べた直後ではなく、1時間くらい空けてからにしましょう」(同前)

 健康寿命を“逆流”させないようにしたい。

※週刊ポスト2019年4月26日号


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