古来の地名には、その土地の特徴や大災害の歴史が秘められていることが多いという。そこで、そんな“危険サイン”を秘めた地名をいくつか紹介する。参考にすれば、災害への備えになるかもしれない!

『イカ』
「イカる」とは、「水が溢れる」の方言。「大雨で水がイカる」などと使われていた。
【例】五十里、五十島、五十嵐(いずれも新潟県)
【災害例】新潟県阿賀町の「五十島」では、1967年の水害時、駅舎の軒下まで水没した。

『ウメ』
埋立地の「埋」を表す。
【例】梅森(愛知県)、梅原(岐阜県)、梅洞、梅ケ谷(いずれも熊本県)
【災害例】1957年に起きた熊本県の坪井川・井芹川水害では、「梅洞」で60人が生き埋めとなり、現在も崩落危険指定地になっている。また同水害で山地崩壊した八千代市花園町付近は、かつて「梅ケ谷」と呼ばれ、土砂崩壊で埋まりやすい場所だった。

■か行

『カキ・カケ』
「カキ」とは「欠ける」を由来とし、えぐられていて崩れやすい場所を示す。崖地や急傾斜面、谷口にある場合は土石流や鉄砲水が起こる可能性も高い。一方「カケ」は災害によって土地が欠け、浸食を受けやすい場所を表す。
【例】柿田町、柿碕町、欠町(いずれも愛知県)、宮掛、柿平、倉掛、柿木田(いずれも群馬県)
【災害例】群馬県の宮掛、柿平、倉掛、柿木田では1935年、土石流などの被害に。また、群馬県下仁田町の「網掛」では、1947年のカスリーン台風の山崩れで死者が出た。

『カジヤ』
土地を「かじる」「かじり取る」という意味を含むため、土砂災害の可能性が高い場所。また、鍛冶に従事していた職能集団“鍛冶部”の居住地があった場所を示すことも多い。
【例】鍛冶屋谷(奈良県)、鍛冶屋又(三重県)
【災害例】奈良県五條市「鍛冶屋谷」は2011年の紀伊半島豪雨で土砂災害に見舞われた。

『カシワ』
「カシ」は「傾ぐ」を由来としており、土地が傾いている。
【例】上柏崎(栃木県)
【災害例】東日本大震災では、栃木県塩谷郡の「上柏崎」で、崖の崩落と地すべりがあった。

『カマ』
古語の「噛マ」が由来。自然がその土地を噛む、つまり津波で浸食されやすい地形を表す。
【例】釜石(岩手県)、塩竈(宮城県)

『クエ・クス』
崩れやすい土地を表す。
【例】九重(和歌山県)、下楠(愛知県)
【災害例】愛知県新城市「下楠」は、1972年と2010年に土砂崩れで県道が通行止めに。

『クリ・クラ・クルミ』
土地をくり抜かれ、えぐられた崩れやすい場所を示す。
【例】栗駒山(宮城県・山形県・岩手県)、鎌倉(神奈川県)、胡桃沢、小胡桃(いずれも岐阜県)
【災害例】宮城県栗原市の「栗駒山」は2008年の岩手・宮城内陸地震で土砂流が。

※女性セブン2019年9月12日号