相続「小規模宅地等の特例」制度 偽装同居は簡単に露見する

相続「小規模宅地等の特例」制度 偽装同居は簡単に露見する

 2019年、相続制度が激変し、節税への関心が高まっている。「親の持ち家」を相続する人々にとって“味方”になる制度として知られるのが「小規模宅地等の特例」だ。これは、同居する親が亡くなった際、自宅の土地の相続税評価額が8割減になる制度だ(330平方メートルまで)。仮に1億円の土地を子供1人が相続する場合、通常は約1220万円の相続税がかかるが、この特例を使えば評価額が8割減の2000万円まで下がり、相続税はかからない。

 ただし特例を利用するには「同居の実態」が不可欠で、「住民票だけの同居」では許可されない。そこが落とし穴になる。円満相続税理士法人代表で税理士の橘慶太氏が語る。

「『どうせわからないだろう』と住民票が一緒というだけで特例を申請する人がいますが、関連する金額の大きい制度だけに当局のチェックは厳しい。税務署員が近隣住民に聞き込み調査するなど徹底的に調べるため、“偽装同居”がいとも簡単に露見するケースが目立ちます」

 その一方で、「ウチは同居じゃないからダメか」と諦めるのは早い。

「同居期間には定めはなく、親が亡くなる1週間前から同居を始めた場合でも、この特例を利用できます。ただし親が亡くなった後に、最低10か月間は売却せず、同じ家に住み続ける必要があります」(橘氏)

※週刊ポスト2019年9月20・27日号


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