新型コロナウイルス感染拡大の影響で、多くの飲食店が営業を休止し、物産展などの飲食系イベントも多数中止になった。さらに、給食停止などもあり、生産者たちが苦境に立たされている。こういった状況のなか、ネットで地方の特産物を販売する“産直サイト”が生産者を救っているという。そんな“産直サイト”の主催者らに、開設に至った思いを聞いた。サイトで買うことができる商品とともに紹介する。

◆養老牛山本牧場 北海道物産展

「この春予定していた15か所の百貨店の物産展がすべて中止、2500万円の損失です。ならば自分たち主催の物産展をやろうと仲間を募りました」

 そう話すのは、『北海道物産展』主催の山本照二さん。酪農の仕事の合間に、慣れないネットを駆使し、4月10日から運営スタート。いまでは1日20件ほど注文が来る。

「正直、売り上げ的にはまだまだです(苦笑)。でも、商品内容やこだわりの部分までじっくり見て購入していただけるかたがいるのは、作り手としてすごく支えになります」(山本さん)

◆ポケットマルシェ

「3月3日から『#新型コロナで困っています』という一覧を作りました。利用者も、2月から4月の2か月で1.5倍となりました」(『ポケットマルシェ』PR・東樹詩織さん」

『ポケットマルシェ』は全国の産直品を扱っているが、生産地やカテゴリー、テーマ別に絞り込みができるので、新型コロナウイルスで困っている北海道の生産者を検索することが可能だ。

「廃棄するくらいなら…と、普段よりお得に値付けをされているかたもいます。こんなときこそ、彼らの味を知っていただきたいですね」(東樹さん)

◆スマイルマルシェ

「ただ『困ってるから買ってください』だけでは広がりを感じられなかったんです。そこで、当サイトで購入していただいた喜びを笑顔の連鎖につなげようというコンセプトのもと、商品の売り上げの一部を『こども食堂』活動資金として、ひとり親とお子さんが飲食店で飲食する際の料金を負担しようと考えています」(『スマイルマルシェ』代表の脇坂真吏さん)

 現在は、お楽しみセットのみの販売だが、今後はほかの商品もラインアップされていくというから見逃せない。

◆道南地元市場

『道南地元市場』を運営する『ロカラ』EC事業部・高山義彦さんはこう話す。

「この状況でも『つらいのは自分だけじゃない』と我慢する生産者さんを前に、なんとかわれわれが応援する方法はないかとアンケートをとり、特設ページを作るに至りました」

 応援プランには、3500円、5500円、1万円の3種類あるが、ほかの商品も絶賛販売中。

「海産物だけでなく、山のものや和菓子、ピザなど、まだ知られていない道南のおいしいものがたくさんありますので、ぜひのぞいてみてください」(高山さん)

◆札幌商工会議所 新型コロナ経済対策掲示板『緊急在庫処分SOS!』

 新型コロナウイルスの感染拡大に、いち早く危機感を示したのが、札幌商工会議所。3月1週目に会議をし、10日には『緊急在庫処分SOS!』掲示板を開設し、現在は約250事業主が利用、乳製品や肉、農産品他SOS事業者の商品がここで買える。

「札幌商工会議所の会員に限らず、食品を取り扱う道内の事業者であればどなたでも参加できることにしました。ただ、一度掲載してそのときに在庫がなくなったとしても、もう一度掲載したいというかたもいらっしゃいます。というのも5〜7月の物産展も続々と中止になっているのです。厳しい状況が続いているのは間違いありません。引き続きのご支援をお願いしたいです」(担当者)

 札幌市内のラムチョップ専門店『ラムチョップス』も、同掲示板を利用する事業者の1つ。

「イベント出店のために仕入れた豪州産のおいしいラム肉が在庫過多になってしまい、掲示板を利用しました。全国から問い合わせがあり、たくさんのかたに見られているんだと驚きましたね。当店ではさばき方の冊子を添えて販売しています」(同店の日吉良一さん)

※女性セブン2020年5月7・14日号