「娘はこの春、都内の大学に進学したんですが、引っ越しを手伝ったとき、徒歩10分のドラッグストアから1時間経っても戻ってこなくて。電話したら、アパートとは逆の方向に30分くらい歩いてるのに、おかしいとも思ってなくて。なんのためのスマホ?って脱力しましたよ」(愛知県・49才)

「転勤先で買い出しに行こうと、一度主人に連れて行ってもらった、車で片道15分のショッピングセンターに向かったんですが、駐車した車を探すのに30分、帰りに4時間かかっちゃって…。携帯も家に置いたままで、警察に連絡する寸前だと家族にめちゃくちゃ叱られました」(千葉県・54才)

 新生活がスタートして1か月。この春は“三密”を避けての外出自粛という特別な状況下だが、電車をやめてタクシーに乗ったら運転手が道を知らなくて高くついたり、徒歩で移動しようとしたら迷子になってしまったりと、「方向音痴」による日常生活の支障は確実に起きているはずだ。

 日本自動車連盟(JAF)のアンケート調査(2016年度)によれば、自分を「方向音痴だと思う」「ややその傾向がある」と答えた人は42.2%。約4000万人、つまり日本人の5人に2人が「方向音痴」と答えた。もはや国民病ともいえる方向音痴を直そうと立ち上がったのが、ミッツカール代表の北村壮一郎さんだ。北村さんは、2015年より『ミッツカール 方向感覚がよくなるレッスン』を主宰、著書に『地図をグルグル回しても全然わからない人の 方向オンチ矯正読本』(秀和システム)がある

「ぼく自身は小さい頃から車や電車など乗り物が好きで、地図も時刻表も読みながら育ったので、方向感覚には自信があったんですが、その感覚がさらに鍛えられたのは、スキューバダイビングインストラクターの資格を取得してから。漁師もそうですが、目印がない海にいるときは、ただの岩を“ライオンの横顔に似てる”とか“ソフトクリームみたい”などと覚えながらナビゲーションするんです。こうしたコツを地上の方向音痴さんへも応用したのが、ぼくの方向音痴矯正メソッドです」(北村さん・以下同)

 まずは画像のチェックリストで、自分がどのくらい方向音痴かを測ってみてほしい。【1】は0点、【2】は1点、【3】は2点で計算しよう。

【0〜6点のあなた】…方向感覚の優れたタイプ。記憶力も優れているので、むしろ周囲の方向音痴の人を助けてあげることもありそう。

【7〜13点のあなた】…「方向音痴予備軍」。常にスマホの地図アプリに頼りきりでいると、方向感覚が鈍ってくる可能性があるので注意。

【14〜20点のあなた】見事な「方向音痴」。日常生活にも支障が出ている可能性が高いので、本メソッドをぜひ活用してほしい。

 北村さんによれば、「自分では方向音痴ではない」と思った人も、試してみたら意外と方向音痴予備軍になっていることがあるという。

「というのも、脳は筋肉と同じで、使わなければどんどん衰えていきます。パソコンやスマホで文字を打つことに慣れて、いざ漢字を手で書こうとしても思い出せないように、普段からカーナビやスマホの地図アプリにばかり頼っていると、私たちの方向感覚も退化してしまいます」

 そもそも電気製品ゆえ電池が切れてしまう場合もあるし、GPSが正常に位置情報を取得しないなど、誤作動する場合もある。だからこそ、スマホ時代のいまでも方向感覚を持つことは有意義だ。

「方向音痴の問題は、迷うことそのものではなく、迷っているときに余計な時間やお金がかかり、それでストレスが生まれることです。約束の時間に遅れないように予定よりも何時間も前に家を出たり、ずっと地図とにらめっこしたり、それでも遅刻して相手を怒らせてしまったり、目的地からそう遠くないのにタクシーに乗って余計な出費につながったり…、要らぬ苦労をしているんです」

※女性セブン2020年5月21・28日号