同じ病気でも、“病院のかかり方”で払うお金は変わる──その仕組みを知らないと、多額のムダな医療費を負担することになる。長い人生で大損しないための情報を網羅した『週刊ポストGOLD 得する医療費』から、賢い患者となるための必須知識を紹介していく。

同じ検査に「3割負担」と「10割負担」がある

「保険適用」と「全額自己負担(自費)」の境界を知ることは重要だ。代表的なのが検査。同じ病院でMRI検査を受けたのに、ある人は健康保険が適用されて9000円、別の人は全額自費で3万円──こうしたことが実際に起きている。その違いはどこにあるのか。医療経済ジャーナリストの室井氏が指摘する。

「保険が適用されるか否かは、病名がつくかどうかで変わります。治療のための検査なら保険が適用され、予防が目的の健康診断なら保険は適用されません」

 ポイントは「自覚症状の有無」だ。たとえば、“胃がムカムカする”などの自覚症状がある場合、先に医者にかかって疾患の疑いがあると判断されれば、保険適用で検査が受けられる。一方、同じ状態で自費の人間ドックを受け、そこで胃の疾患が見つかっても、検査は全額自費のままだ。

「健康な人に保険は適用されないのが大原則だと覚えておきましょう。自覚症状があるなら、先にきちんと医師に伝える。多くの場合に保険が適用されるはずです」(ファイナンシャルプランナー・黒田尚子氏)

同じ成分の薬なのに7割引きになる

 年齢を重ねるほどかさんでくる「薬代」も、大きく圧縮できる可能性がある。常備薬をジェネリック薬(後発医薬品)に変えるという選択だ。銀座薬局の代表薬剤師・長澤育弘氏が解説する。

「ジェネリック薬は、特許期間が切れた先発薬と同じ有効成分で作られた後発の医薬品です。薬効成分の研究開発費が不要なため、薬剤料は先発薬と比べて2〜7割ほど安くなります」

 高血圧など長期にわたって薬を服用するケースでは、その圧縮効果が大きくなる。

 たとえば、高血圧に用いる血圧降下剤の代表的な先発薬「ミカルディス錠40mg」の薬価は1錠97円だが、ジェネリック薬の「テルミサルタン錠40mg」は1錠31.8円。3割負担でも年間約7000円の違いが出る。

「リスクとしては先発薬とは異なる添加物が原因でアレルギーが生じる可能性があります。体調に変化があれば医師や薬剤師に相談するようにしましょう」(前出・長澤氏)

※週刊ポスト2020年10月2日号