高齢者の粗食は百害あって一利なし、炭水化物も摂取すべき

高齢者の粗食は百害あって一利なし、炭水化物も摂取すべき

 丈夫な体を作るには栄養バランスのとれた食事が欠かせない。健康志向の高まりにより様々な情報があふれる中、多くの誤解も広まっている。

 若い頃よりも「粗食」を心がけ、「魚を食べることが多くなった」という高齢者は少なくないだろう。朝の食卓に上る機会の多い焼鮭は特に人気が高く、「パリパリの皮まで食べてしまう」という人も多い。

 魚の皮にはオメガ3脂肪酸が多く含まれており、血中の中性脂肪や余分なコレステロールを減らす働きを持つ。しかし、加熱をすると血液を凝固させる過酸化脂質に変化してしまうので注意が必要だ。食べ過ぎると血液がドロドロになりかねない。

 また、スリムで若々しい体型への憧れから、高齢者の間にも「炭水化物抜きダイエット」「糖質制限」を実践する人は増えている。しかし安易に飛びつくのは禁物だ。秋津医院院長の秋津嘉男医師が解説する。

「炭水化物はたんぱく質、脂質と並んで、体に必要な三大栄養素のひとつで、消化吸収されると血中で糖質に変わります。

 この糖が脳や内臓全般、筋肉を動かすエネルギー源となる。最低限必要な糖質が不足すれば、体力のある若年層ならまだしも、高齢者は免疫力が落ちて感染症にかかったり、筋力が落ちて寝たきりの状態になる危険性もある」

 秋津氏は、「カロリー制限」についても否定的だ。

「1日1〜2食だと栄養バランスに偏りが生じやすくなる。1回の食事量が増える傾向もあり、高齢者の胃腸には大きな負担となる。どうしてもカロリー制限をする場合は、3食をそれぞれ半分にすべきです」

※週刊ポスト2017年8月18・25日号

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