駅弁からEKIBENへ 新機軸の弁当が続々登場

駅弁からEKIBENへ 新機軸の弁当が続々登場

 ここ1年で販売された駅弁の数々を見ると、米沢牛に豊後水道の鰆……と素材も上等なら、鮭の焼漬にジンギスカン……と名物の郷土料理も詰め込まれている。内容はもちろん、容器や掛け紙、盛り付けも綺麗で、まるで料亭か高級百貨店の料理弁当のよう。現在の駅弁は、昭和的郷愁やレトロなイメージには収まらない新しい路線を歩み始めている。

 街弁やコンビニ弁当、手作り弁当まで昨今の弁当ブームは留まることを知らない。その中で少しだけ価格が高い駅弁は、以前は旅という“ハレ”の日の特別な弁当だった。しかし通販で取り寄せ可能(一部)になったり、イベントで販売されたりと、駅以外にも販路が広がり、すっかり日常に溶け込んだ。

 素材へのこだわり、手作り、伝統については他の弁当と一線を画す。低カロリー、野菜中心のおかずなどに代表される健康志向、燃えるゴミに対応するエコ容器の推進、トレーサビリティ(追跡可能性)の管理など時代に添って進化してきた駅弁。

 新幹線駅への販売の集中、製造元の後継者不足などの問題もあるが、駅弁は日本を代表する食文化、そして日本の食遺産的存在。数年前から実験的にパリや台北など海外でも販売を始めている。駅弁からEKIBENへ。楽しみは尽きない。

 ここで行楽シーズンに食べたい、3つの駅弁を紹介しよう。

◆【岡山 岡山駅】祭ずし 極(1480円)

 地元産の食材を活用した内容に定評がある三好野本店の新作。県産の朝日米を炊いたご飯のうえに、有頭海老の酢漬け、千屋牛のしぐれ煮、サワラの酢漬け、ママカリ酢漬け、焼きアナゴ、イクラ醤油漬けなど、ひと手間かけた料理を彩りよく盛りつけた。

 同社の人気駅弁「桃太郎の祭ずし」をさらにパワーアップしたような内容で、具材の種類も豊富だ。中でも県産の黒毛和牛を使ったしぐれ煮は絶品で、牛肉のおいしさを極限まで引き出している(製造/三好野本店)。

◆【北海道 函館駅/函館北斗駅】ジンギスカンラムチョップ(1680円)

 道民のソウルフード、ジンギスカンを用いた駅弁で、北海道新幹線の開業1周年に合わせて開発された。ラムチョップ(骨付き羊肉)は、調製元が継承する秘伝のタレにじっくり漬け込んだあと、やわらかい肉質を維持できるようにスチーム調理で仕上げた。

 人目など気にせず、口のまわりをテカテカに光らせながら骨までしゃぶり尽くすのが正しい食べ方。ラムチョップを中心に置いた盛りつけはインパクト絶大で、インスタ映えも期待できそうだ(製造/北海道キヨスク)。

◆【山形 米沢駅】米沢牛牛づくし弁当(2140円)

 フタを開けたらもう牛肉づくし。高品質の米沢牛を使った「ハンバーグ」「カットステーキ」「サイコロステーキ」をご飯のうえにギュウッと詰め合わせた。

 中でも自慢は特製タレをつけて焼き上げたカットステーキ。じっくり噛みしめると、肉の中から旨みを含んだ汁がじわりとしみ出して口中を満たす。この機を逃さずに白米を頬張るのがおいしさを堪能するコツだ。付け合わせはインゲン、ニンジン、トウモロコシなど。購入日の2日前までに要予約(製造/松川弁当店)。

*複数の駅で販売される駅弁は代表駅を記載。価格は税込み

■撮影/岩本朗、文/小林しのぶ

※週刊ポスト2017年9月22日号

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