肉は「健康に悪い」のか「適度に摂るべき」なのか

肉は「健康に悪い」のか「適度に摂るべき」なのか

 次々と現れる新健康法。情報が氾濫するなか、現在、医師が執筆する「食事本」が一大ブームになっている。たとえば『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』の著者は、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)内科学助教授の津川友介・医師だ。

「この本では『病気になりにくく長生きできる食事』イコール『健康な食事』と位置づけています。そのため、食材や食事法と、罹患率や死亡率との間に明確な医学的根拠があるもののみを紹介している」(津川氏)

 同著で特に目を引くのは「牛肉、豚肉、ソーセージやハムは健康に悪い」という記述だ。

 根拠となるのは2015年10月に世界保健機関(WHO)の専門組織、国際がん研究機関(IARC)が発表したデータだ。IARCは、ハム・ソーセージ・ベーコンなどの加工肉の場合、1日あたりの摂取量が50グラム増えるごとに大腸がんのリスクが18%増加、牛肉や豚肉などの場合、1日100グラム摂取するごとに同じく大腸がんリスクが17%増加するとしている。津川医師がいう。

「日本人の牛肉・豚肉の摂取量は少ないため、この結果は日本人には当てはまらないという主張もあります。しかし、国立がん研究センターの研究者が行なった日本人を対象にした研究でも同様の傾向が認められています。

 また、これらの摂取量が多くなればなるほど、脳卒中や心筋梗塞など動脈硬化による死亡率、がんによる死亡率も上昇するというデータもある。できるだけ牛肉・豚肉や加工肉の量を減らし、魚や豆類、鶏肉に代替したほうがいいと考えます」

 一方、『医者が教える最強の食事術』(白澤卓二・監修)では、日本人のたんぱく質摂取量は高齢になるほど減る傾向があり、積極的に牛肉をはじめとする肉類を摂取することが効果的としている。同書の監修者で、日本のアンチエイジングの第一人者であるお茶の水健康長寿クリニック院長の白澤卓二医師がいう。

「たんぱく質を効果的に摂るには魚より肉がベターです。食べ過ぎは禁物ですが、適度な脂質も必要なので、たまには豚バラ、牛カルビなども食べていい」

 両者の違いは、病気の発生リスクに着目するか、効果的な栄養摂取を目指すかで生まれているようだ。

『医師が教える食事術 最強の教科書』(牧田善二・著)では、前出の津川医師による食事本と同様にWHOの研究結果から、加工肉の摂取はできるだけ避けるべきだとしている一方、〈長寿者に肉好きが多いのも事実〉と、良質のたんぱく質や鉄分を多く含む肉類のメリットに言及。大腸がんのリスクにも触れた上で〈70グラム程度の赤身の肉を、2日に1度の割合で食べることをおすすめします〉としている。

※週刊ポスト2018年6月22日号

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