43歳派遣女子 「5年待ち」で掴んだ年下IT社長との結婚

43歳派遣女子 「5年待ち」で掴んだ年下IT社長との結婚

 結婚を夢見ながらも、結婚に惑う女性たち。彼女たちは男性に、そして結婚に何を求めているのか? 婚活女性たちの結婚の「分岐点」をレポートするシリーズ。今回は、アラフォー婚を果たした美和(みわ)の場合。

 * * *
◆外見はタイプではないが、引きつけられるところがあった

「自分でも予想外の展開で、びっくりしています」

 平成最後の今年、美和さん(43)は入籍した。実家暮らしだった彼女は引っ越しを終え、諸々の手続きを終え、ようやく落ち着いたところだという。「予想外」とはいうが、いわゆる電撃婚ではない。夫の浩太(こうた)さんとは、5年の付き合いを経て結婚したのだから。

 アラフォー女性の5年間は、決して短くないだろう。とりわけ出産を望む女性にとっては。美和さんと浩太さんの交際はどのようなものだったのか。

 出会いは、とあるイベントだった。読書が趣味の美和さんは、友人と好きな作家の対談イベントに参加、その後の懇親会で出会ったのが浩太さん。その時、美和さん38歳、浩太さん35歳。浩太さんは3つ年下だった。

「彼も読書が趣味でした。好きな本のジャンルは違うのですが、話は合いました。2人ともお酒が好きなことがわかり、じゃあ、今度、飲みにいこうよと。本についていろいろ語り合おう、という自然な流れでしたね」

 数回デートを重ねるうちに、付き合ってほしいと浩太さんから告白された。細身で楚々とした美和さんを、最初から気に入っていたという。対してぽっちゃり型の浩太さんは、外見は美和さんのタイプではなかったが、引きつけられるところはあったという。

「私にとって新鮮な人でした。彼はITベンチャーでバリバリ働いていて、交友関係も広い。私が苦手なアウトドアも好きな人。だけど、読書や美術鑑賞といったインドアの趣味ももっている。自分と共通する部分もあるけど、違う部分も多そうだったので、上手くいくかどうかはわからないけど、とりあえず付き合ってみてもいいかなと。ダメならすぐ別れようと思っていましたね」

◆「結婚」を迫ると返ってきた、思いがけない返事

 付き合い始めると、美和さんは、二人の共通する部分と、しない部分のバランスが、ちょうどいいことに気付いたという。

「彼は忙しいので、次に会う日を決めると、その日までほんど連絡が来ないんです(笑)。最初は淋しいな、冷たいなと思ってケンカになることもありましたが、約束は守ってくれるし、会うと優しい。マメでないだけで、私に対する愛情が薄いわけではないことを、次第に理解するようになりました。私はマイペースで、一人の時間も大事にしたいタイプです。若い時は、付き合う人とは毎日連絡を取り合いたいと思っていましたが、もうそういう歳でないし……、彼との付き合い方に納得すると、むしろ、心地よくなってきたんです」

 美和さんは当時、派遣社員として、ある財団で事務の仕事をしていた。やるべきことをコツコツ積み上げていく、慎重で真面目な性格だと自己分析する。だからこれまでは付き合う人は、公務員など堅い職業の、保守的な人が多かった。自分に似たそういうタイプが自分には合っている、と思い込んでいたのだが、30代も後半になって、間違いだったかもしれないと気づいた。

「だって、結婚できていませんでしたから(笑)。私は怖がりだし、安定志向なので、安定している男性がいいと思っていたんだけど……。そうではないタイプの彼(浩太さん)と付き合って、あれ? って。歳をとって、色んなハードルが下がったのかもしれないですね」

 とはいえ美和さんには結婚願望があった。「一人で働いて生きていくイメージは全く持てなかった」という。さらに、子供も産みたいと思っていた。40歳が目の前に迫ってくると、いよいよ焦りが募っていった。

 付き合いは変わらず順調だった。1、2週間に一度は浩太さんの家に行き、レシピ本を見ながら料理をする。普段はしない料理だから、楽しかった。しかし、3歳下の浩太さんから、結婚の話が出ることはなかった。「本来、自分から告白とか、ましてや結婚して、なんて言える性格ではない」と思っていた美和さんだが、40歳の誕生日を迎えると、いてもたってもいられなくなって、結婚をどう考えているのか聞いてみた。

 すると、思いがけない返事が返ってきた。

「俺、今、転職とか独立を考えていて……と言われたんです。びっくりしました。全然、知らなかったから。と同時に、なんか、笑っちゃったんですよね。私が結婚、結婚と思っているときに、彼は転職、転職って思っていたのかと。全然違うことを考えているんだなあと」

 浩太さんから明確な返事はなかったが、自分の気持ちを伝えられただけでも前進だと思うことにした。以来、美和さんの口から、結婚の話を出すことはなかった。

◆将来をとるか、今をとるか

 浩太さんが転職活動で忙しくしている頃、美和さんは、趣味の読書で知り合った友人から、ある誘いを受けた。知り合いが始めた小さな書店の事務や雑務を、手伝ってくれないか、というものだった。本が好きな美和さんは、すぐに引き受けた。忙しいのは苦手なので派遣の仕事の負担にならない程度だが、美和さんの世界も広がりつつあった。

 結婚や出産についてはどう考えていたのだろうか。

「正直、諦めていたのかもしれません。はっきりしない彼氏とは別れたほうがいい、と忠告してくれる友人もいましたが……、40を超えた私が彼と別れて、また新しい人を見つけて、結婚までいく確率って、すごく低いような気がしてしまって。高齢出産する自信もなくなってきたので、それだったら、将来どうなるかわからないけれど、彼との今の生活を大事にしようと。消極的理由からだけど、自分のなかで、そう折り合いをつけました。

 その後、もし、別れていたら後悔していたのかな……。ただ言えるのは、将来はともかく、その時点では、彼と一緒にいられて、すごく楽しかったんですよ」

 将来をとるのか、今をとるのか。その選択はとかく、出産年齢に限りのある女性の側にのしかかってくる。

 そんな中で美和さんの家族の状況は、結婚しない現状を肯定してくれるものだった。

「姉がすでに3人子供を産んでいるんです。母は孫たちの面倒をみるのに忙しくて、たまに私とのんびり旅行に行くのを生き抜きにしていました。こういのって、大人同士だからできる楽しみですよね。妹の私はいつまでも家にいていいよ、という感じが、うちにはありました……過保護なので」

◆もう少し早く結婚していたら……後悔と納得

 浩太さんと、今のまま付き合いを続けようと気持ちを切り替えた美和さんに、今年、転機が訪れた。昨年、浩太さんは、転職と迷った末に、意を決して独立。起業の道を選ぶことに。自宅でも仕事をするようになったことで、住んでいたマンションが手狭になったのだ。

「引っ越しを機に、一緒に住まないか、と言われました。と同時に、プロポーズ。独立したし、数年は仕事に注力するのかなと思っていたので、びっくりして。もちろん、“はい”と答えましたけど」

 授かったら幸せだが、正直、子供は難しいかなと思っていると、美和さんは話す。もう少し早く結婚していたら、子供も産めていたのに、という思いが湧かないのかと聞くと、最後にこう話してくれた。

「彼が私の年齢をもっと考えてくれていたら、結婚も、子供も手にできたかもしれないという気持ちは、正直、あります。だけど、2つを手に入れられるほど、私は器用ではなかったし、恐らく気合も足りなかったんでしょうね。歳をとればとるほど、長く付き合っている時間はないと考えがちだけど、私たちにとって、5年という時間は必要だったのかなと思います。今は、独立した彼を応援したい気持ちです」

 結婚は愛情よりタイミング、ともいう。美和さんにとってタイミングは、掴むものというより、待つものであった。


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