2000年に土曜ワイド劇場の作品としてスタートしたドラマ『相棒』。10月21日(水)には、最新作の『相棒 season19』第2話を放送する。

『相棒』史上初となる“VR=仮想現実”の世界をテーマにした「プレゼンス」(後編)。

現実世界と“VR=仮想現実”の世界がクロスオーバーしながら、特命係の杉下右京(水谷豊)と冠城亘(反町隆史)が事件の真相究明に立ち向かっていく、というまったく新しい展開を繰り広げる。

現実と仮想の世界を行き来するという前代未聞の事態に特命係が挑む、第2話放送に先駆けて、「『相棒』20周年記念インタビュー企画」と題したインタビューを実施。“『相棒』ファン”を自称する著名人が同作との出会いや熱い思いについて語っている。

今回は、ペナルティ・ヒデのインタビューの様子を紹介。

「芸人のなかで『相棒』好きなのは間違いなく自分!」と豪語する彼に、同作の魅力や印象に残ったエピソードについて聞いた。

「2002年日韓W杯が終わってちょっと腑抜けていたときに、次にハマるものを探していたら『これじゃないかな』と思って、そしたら見事にハマりました」

『相棒』に本格的にハマることになったいきさつを振り返ったヒデ。

もともと連続ドラマ化される前のいわゆるプレシーズンからの『相棒』ファンであり、当時から「間違いなくシリーズ化するな」と確信していたそう。「20年つづくとは、驚きですよね。そんなドラマそうそうない」と手放しでほめちぎった。

元々、テレビ朝日の刑事ドラマでは『西部警察』が好きで、子どものころは刑事に憧れるくらい夢中になった。

アクションやカースタントなど激しい“動”のシーンが多い『西部警察』に対し、『相棒』は静かな展開で進んでいく“静”のドラマ。

ペナルティ・ヒデ(以下、ヒデ)「大人になって、静かな展開で進んでいくストーリーについていけるようになりました。年齢が追いついたというか。今まで僕が求めていた激しい刑事ドラマではなく、人間の奥底に眠る善悪の表裏一体を右京さんが突いていくことにハマりましたね」

なかでも気に入っているのは、“遊び心”があるところだという。

ヒデ「そもそも特命係というのも、日の当たるエリート街道とは違う部署。架空の設定なんですけど、ああいう部署が『本当にあるんじゃないか』と思ってしまう。そこで紅茶を飲むシーンとかもおもしろくて(笑)。

骨太の刑事ドラマなのに、遊び心がある。右京さんという人物も真面目なようで、俯瞰で見るとズレているところがあるんです。ドンパチが苦手な女性でも楽しめますよね」

そんな『相棒』好きのヒデには、杉下右京を演じる水谷豊に「鼻をへし折られた」出来事があるそう。

大好きな番組『ちい散歩』を見ていたときのこと。たまたま水谷がゲストとして番組に登場し、地井武男さんを『相棒』の撮影所に案内した場面で、水谷のある姿に目を奪われた。

ヒデ「本当に小さい声ですよ。撮影所に入るときに(水谷さんが)『失礼します』って言ったんですよ。あれだけの名優で地位もある人が、しっかりとあいさつをして頭を下げていた。

僕はずっとスポーツをやっていたんで、ピッチに一礼するような(印象)。水谷さんにとってあの現場が聖地なんだなと思いました。こういうことなんだと。このドラマ、この人が愛される理由っていうのは。

全然立場は違うんですけれど『(僕は)してなかったなぁ』と、仕事に対して横柄なところがあったことを反省しました。完全に伸びるはずもない鼻をポキッと折られたというか。そこからだいぶ考え方が変わりまして、『いかんぞ』と襟を正しました」

◆人間が人間である理由を教わりました

水谷のプロ意識に感銘を受け、「大切な人としての礼節を杉下右京に見つけました」と語ったヒデ。そんな彼に、イチオシの『相棒』のエピソードを聞いてみた。

ヒデ「僕が『相棒』にどっぷりハマった1発目の話が、『殺しのカクテル』(『season1』第7話)。こういうのを求めていたんだなと思いました。

蟹江敬三さんがバーのマスター役で、カクテル愛が強すぎて人の道を外れてしまうという話。人って自分が好きなものや情熱を注いでいることを汚されるのが、一番つらいことなんだと教えてもらいました。

犯した罪は許されるものではないんですけど、人間が人間である理由をあのドラマに教わりましたね」

とりわけ印象に残っているのが、“ベストパートナー”というカクテルが登場するシーンだという。

ヒデ「和の要素をもったカクテルで、ミントと梅という一見合わなそうな組み合わせなのに、うまいことブレンドされて最高の化学反応を起こすんです。“ベストパートナー”、まさに『相棒』なんですよ。まったくタイプの違う右京さんと亀山さん。合わなさそうなのに見事に融合して、難事件を解決していくじゃないですか。

たぶんそういうメッセージもあるんだろうなと思って、よりこのドラマが好きになりました」

『相棒』ファンにも人気が高い「殺しのカクテル」。同エピソードで蟹江敬三さんが演じたバーテンダーは、「琥珀色の殺人」(『season6』第14話)という作品にも再登場した。

ヒデ「『琥珀色の殺人』は『殺しのカクテル』から7年後の話なんです。冒頭は違うところからはじまるんですけど、そこに蟹江敬三さんが出てきて。これがまたいいんですよね、『あ、つづいていたんだ』って(気付かされる)。

ただ、どちらから見ても楽しめるように作られています。昔からのファンも楽しめるし、新しいファンも『そんな話があるんだ』って見返して『つながってるんだ』と思う。

このエピソードからは、どんなに真っ当に生きている人でも踏まれたくない“地雷”があって、それを踏まれると人はひっくり返ってしまうこともあるんだなと教わった気がします」