金正恩に"対話"も"圧力"も意味がない理由

金正恩に"対話"も"圧力"も意味がない理由

PRESIDENT 2017年10月16日号 掲載

■困窮しても北朝鮮の核開発は止まらない

9月3日、北朝鮮が6回目となる核実験を実施した。これを受けて12日、国連安全保障理事会は、北朝鮮への制裁決議を全会一致で採択。アメリカが望んだ原油輸出の全面禁止や最高指導者・金正恩の資産凍結などは採用されなかったが、原油輸出には制限が設けられ、繊維製品輸入が禁止になった。

最近、北朝鮮の核兵器やミサイル開発が駆け足になっているのは、2008年、財政が黒字に転換してから開発が加速したように、経済発展が背景にある。

そう考えると北朝鮮にとって経済制裁は痛手になりそうなものだが、外務省は「全面的に排撃する」と反発。強気の姿勢を崩していない。

そもそも経済制裁の目的は、核兵器・ミサイル開発をやめさせるか、支障をもたらすことにある。しかし北朝鮮にとって政治的に高い価値があるのなら、経済的にどれだけ損害を受けても、開発を続けるだろう。

1990年代前半、北朝鮮は3年間で財政規模が半分になり、極度に困窮した時代があった。しかしそのような危機的状況でも、ミサイルを開発していたのである。今回の制裁によって経済的なダメージはある程度あるだろう。ただし当時から推測するに、開発をやめさせるほどの影響力があるとは思えない。

制裁決議の効力にも疑問が残る。国連の決定の中で安保理決議だけは守る義務があるが、罰則はないため、決議に従わない国のほうが多い。また東南アジアや中東、アフリカ諸国など、北朝鮮と有効な関係を築く国は多く、国交を持つ国連加盟国は161カ国もある。

昨年末の時点で、北朝鮮に対する制裁措置の実施状況を報告したのは、国連加盟国の約半数だけだった。北朝鮮は決して世界で孤立しているわけではない。たとえ今回の制裁決議でアメリカの草案が通って、激しく強い圧力がかかっていたとしても、北朝鮮が弱気になる理由は見当たらないといえる。

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