天才ダ・ヴィンチが生涯探求し続けた「2つの謎」

天才ダ・ヴィンチが生涯探求し続けた「2つの謎」

PRESIDENT Online 掲載

どうすれば革新的なイノベーションを起こせるのか。数々の発明を残した「万能の天才」レオナルド・ダ・ヴィンチは、生涯をかけて「2つの謎」に挑み続けたという。生粋のダ・ヴィンチ研究家は「数々のイノベーションをもたらしたのは、謎を解き明かしたいという素朴な好奇心だったようだ」と指摘する——。

※本稿は、桜川 Daヴィんち『超訳ダ・ヴィンチ・ノート』(飛鳥新社)の一部を再編集したものです。

■言説を信じるな、現地を当たれ

「ノアの時代に襲来した大洪水は、普遍的なものであったかどうかという疑惑。複数の理由によって、否定せざるを得ない」(アトランティコ手稿)

なぜ山頂で海の生物の化石が見つかるのか。「ノアの大洪水のときに海の生物が山頂まで押し上げられて残ったから」という聖書説が18世紀まで支配的な学説でした。

しかしダ・ヴィンチは、16世紀初頭、聖書説は誤りであると地質学的調査によって論破しています。

その過程が秀逸。山で地層を調査したダ・ヴィンチは、貝の化石層が2段に分かれていることを発見します。でも聖書には、「ノアの洪水以前にも山は海の底にあった」などとは書かれていません。化石層が2段あるなら、大洪水は2回あったはず。

疑問を持ったダ・ヴィンチは、次に化石の配列に着目します。すると貝殻の化石は規則的に並んでいたことから、洪水の渦に飲まれて流されたとは思えないと分析。さらに化石の重さから考えても、洪水によって海から山頂に運び上げられるはずがないと主張します。おまけに発見した二枚貝は、殻が対になった完全な状態で地層から発見されました。もし洪水で激しく流されたならば、破損しているはず……。

こうして貝殻だけで聖書を論破してしまったダ・ヴィンチ。時代背景を考えれば、驚きに値します。

科学が発達した今日でも、信じられていた言説が間違いだったと証明されることがあります。情報をうのみにするのではなく、常識を疑い自分で確かめてみれば、面白いことが見えてくるかもしれません。


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