PRESIDENT Online 掲載

■景気が堅調なスペインで成立した左派連合

昨年11月に総選挙を行ったスペインでようやく政権が成立した。年明け1月7日、最大与党である穏健左派の社会労働党(PSOE)を率いるペドロ・サンチェス氏が下院で首相に再任され、13日に新政権がスタートした。新政権は1978年の民主化以降、スペインで初となる連立政権となったことでも注目を集めている。

PSOEと連立を組むのは急進左派の政党、ポデモスだ。元学者であるパブロ・イグレシアス氏が設立した同党は、近年は多少その主張を和らげているものの、そもそもは民族主義、反体制主義、欧州懐疑主義の立場に立つ過激な政党である。前回11月の総選挙での得票率は12.9%と一定の支持を集めており、現在第四党の位置にある。

2018年6月、汚職疑惑を受けたマリアーノ・ラホイ前首相の辞任に伴い就任したサンチェス首相であったが、少数与党政権のために不安定な議会運営を余儀なくされた。2019年予算案が下院で否決されたことを受けて、首相は2019年4月に総選挙を前倒しで行ったが、どの党も過半数を得られず、首相指名にも失敗したため、11月にやり直しが行われた。

スペインは4年で4回も総選挙を行った末、左派連合による連立政権の誕生にようやくたどり着いた。景気低迷が顕著な欧州であるが、それでも3%近い成長率を保つなどスペイン経済のパフォーマンスは悪くない。にもかかわらず、成長よりも分配を重視する左派政党が政権を奪取した背景には、一体どのような事情があるのだろうか。