PRESIDENT Online 掲載

年商160億円を超える関西有数のホテル会社「ホテルニューアワジ」。2011年には「神戸ベイシェラトンホテル&タワーズ」を買収。シティホテルの経営に参入し、規模を急拡大させた。神戸大学大学院・栗木契教授は、「シティホテルの最大顧客であるビジネス客を追わず、『温泉と浴衣を導入する』というレジャー客向けの戦略が当たった」と分析する——。

ホテルニューアワジグループ(以下ホテルニューアワジ)は、関西では有数のリゾートホテル・グループである。1961年に兵庫県洲本市で温泉旅館として創業。1990年代ばまで年商は約25億円だったが、この20年で急拡大し、現在の年商は約160億円だ。

躍進を支えたのは、正しい戦略判断と着実な実行力だった。そのいたずらにボリュームゾーンを追わないマーケティング戦略の妙について、ホテルニューアワジの木下学社長にうかがった話をもとに解説する。

■笑われながらの挑戦

ホテルニューアワジは関西圏では「♪ほてる、にゅ〜う、あわぁ〜じぃ!」というテレビCMで高い知名度がある。創業は1953年で、淡路島・洲本温泉で旅館を経営してきた。転機は1998年。2軒目のホテル経営に乗り出したことだった。「プラザ淡路島」である。

1998年に淡路島と本州をつなぐ明石海峡大橋が開通。淡路島観光の将来をにらみ、1994年に閉鎖されていた旧ホテルプラザ淡路島の土地と建物を買い取った。だが、この投資判断に対して周囲の目は冷たかった。

旧ホテルプラザ淡路島の開業は1988年。経営母体は大阪の名門「ホテルプラザ」だった。このため、「あのホテルプラザでも駄目だったのに!」と笑われたという。