PRESIDENT 2020年2月14日号 掲載

■銅メダルを取って愕然とした

シンクロナイズドスイミングの選手だった武田美保さん。アトランタ、シドニー、アテネと3回連続で五輪に出場し、そのすべてでメダルを獲得。どうやってモチベーションを維持していたのか。

「特に秘訣があったわけではありません。続けていたのは、やらないと答え合わせができなかったからなんです。1回目のアトランタでは、代表選手になれるかというギリギリのレベルだったので、代表に選ばれた時点で満足してしまって。本当はそこがスタートなのに、自分の中では終わっていた。だからオリンピックまでの8カ月間の合宿は、やらされてる感だけで、とにかくしんどい時間でした」

そこは一流アスリート。苦しい気持ちを抱えながらも8カ月間、過酷な練習をこなした。その結果、本番ではノーミス。チームで銅メダルを獲得した。しかし、表彰台で武田さんは愕然とする。

「とにかく休みたい、しんどいことから逃げたいという感情しか残ってなかった。それがものすごくショックで。私、何者にもなれてないなと……」

こんな感情になるために十数年ほとんどの時間を費やしてきたのだろうか。支えてくれた家族、指導してくれたコーチや監督にも申し訳ない。