PRESIDENT Online 掲載

少子化にもかかわらず、学習参考書の市場が拡大している。ライターの飯田一史氏は「この10年で参考書のトレンドが大きく変化した。それまで参考書は『勉強のできる子向け』だったが、『勉強嫌いの子向け』の参考書が増えて、市場が拡大している」という――。

■「全国一斉休校」で“特需”の学習参考書

新型コロナウイルスに伴う全国一斉休校の余波で家庭学習ニーズが高まり、学習参考書(学参)の売れ行きが好調だ。

出版取次大手の日本出版販売が3月3日に発表した「総合週間ランキング(2月24日〜3月1日、3月3日調べ)」では、売れ行き上位20冊のうち、5冊の学習参考書がランクイン。前週まで学習参考書は1冊もなく、全国一斉休校で急浮上したと言える。

※出典:日販ウェブサイト

「特需」に沸く学参市場だが、実は、少子化が進んでいるにもかかわらず、近年は市場規模が拡大している。

出版科学研究所『出版指標年報』によると、2018年の学参市場規模は前年に大ブームを巻き起こした小学生向けの『うんこ漢字ドリル』(文響社)が落ち着いた影響もあって457億円(前年比5.9%減)にとどまったが、書籍市場全体が縮小している中で2011年から7年連続で成長を続けてきた。

書店店頭でのPOSデータ(金額ベース)の対前年比でみると、2011年約6%、12年約3%、13年約2%、14年約6%、15年約7%、16年約4%、17年約8%のプラスと、学参市場は少子化にもかかわらず右肩上がりで成長してきた。

この10年の市場拡大の裏には、大きく4つの変化がある。学習参考書の市場をリードしている学研プラスの編集者の話を交えながら解説しよう。