プレジデント ウーマン プレミア 掲載

■出張先にいた私に母からの緊急連絡

経営コンサルティング会社を起業して10年後、東京と広島を拠点に忙しく飛び回っていた頃、出張先で母からの緊急連絡を受けた。父親が倒れたことを知らされ、電話口に出た救急病院の医師によると、倒れて4時間以内に治療薬を点滴すればまひも残らず良くなる可能性があるが、副作用もあり、後遺症が残ることもあると。「すぐ決断をしていただきたい」とゆだねられた。

「“えっ、私に判断させるの?”と慌てましたが、母も動転してそれどころではありません。その瞬間から私は、両親や妹の人生に関わる選択まで、自分が決めなければならなくなったのです」と田原さんは顧みる。

両親と妹が住む広島の実家の隣に住居を構え、夫と娘2人と暮らす田原さんは介護と仕事を両立させることになった。一命をとりとめた父はまひも残らず自分で車椅子を動かせるほど回復していく。すると救急病院は1カ月以上入院できないため退院を勧告される。リハビリテーション病院へ転院が決まり、医師やケアマネジャーらとの面談に追われた。