PRESIDENT Online 掲載

仕事で大きな成果を出すにはどうすればいいのか。米シリコンバレーでアップルやグーグルなどのコンサルティングをしているグレッグ・マキューン氏は、「多くの企業は遊びの要素をなくしてしまっているが、遊びは仕事で成果を出すために必要だ。理由は3つある」という――。

※本稿は、グレッグ・マキューン『エッセンシャル思考』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

■英語の「school」という単語の語源は「楽しみ」

ミュージカル映画『メリー・ポピンズ』の終盤で、堅物の銀行員バンクス氏は長年勤めていた銀行を解雇された。だが、彼はいつになく陽気だった。あまりに浮かれているものだから、使用人からは「気が変になった」と言われ、息子からも「お父様じゃないみたい」と不審がられた。

厳格だったバンクスはすっかり別人になり、壊れた凧を直して「みんなで凧をあげよう」と歌い出す。つまらない仕事から解放され、心の奥に隠れていた子供の自分が息を吹き返したのだ。彼のごきげんな気分は家族全員に広がり、陰鬱だったバンクス家は喜びと親しみに包まれる。

フィクションではあるが、遊びを取り戻すことの大切さを雄弁に描いた話だ。

子供は、誰に教えられなくても遊びを覚える。いないいないばあを見て大喜びする赤ん坊。ごっこ遊びに夢中になる幼児。段ボール箱を積み重ねた秘密基地づくりに没頭し、「フロー」状態に入っている子供たち。

ところが大きくなると、私たちはだんだん遊びを忘れてしまう。「遊びなんてくだらない」「時間の無駄」「幼稚だ」という声に囲まれているからだ。そうした否定的な意見を植えつけるのは、遊びをもっとも必要とするはずの場所。学校である。

英語の「school」という単語は、ギリシャ語で「楽しみ」を意味する言葉から生まれた。それなのに現代の学校は、学びから楽しみを奪ってしまった。教育と創造性に関する研究で名高いケン・ロビンソンは、学校が創造性を殺す、と主張している。

「私たちは教育のファストフード化を容認してきました。その結果、まるでファストフードが体をむしばむように、教育が精神を弱らせることになってしまいました。……あらゆる偉業は、想像力から生まれます。ところが現代の教育システムは、まさにその想像力を奪いつづけているのです」