プレジデント Digital 掲載

新型コロナ第2波の警鐘がいまだ鳴りやまぬが、いざその時が来た場合、「ロックダウンしない」スウェーデンの手法こそが日本にぴったりの方策では?

■ロックダウンしなかったのは「証拠がないから」

新型コロナの感染拡大に対して、世界中の国々で、強制力のあるロックダウンの措置が取られてきた中、WHO(世界保健機構)の出したガイドラインに沿わずに、ロックダウンしないという大胆なやり方で挑んで注目を集めたのがスウェーデンだ。休業の要請もなく、勤め人の出勤は経営者の判断次第。公共交通機関も、スーパーやカフェ、レストランも通常営業というやり方の是非をめぐっては、世界的な議論を呼んでいる。

人口が日本の12分の1ながら、6月2日時点で死者は4795人、100万人あたりの死者が507.17人と、7.55人の日本はおろか世界各国の中でも上位となっており、最近では「失敗だった」とする言説が世界中にあふれている。おおむね好意的だった日本国内の報道とは対照的だ。いったいどう評価すべきなのか。

そもそも、この発想はどこからきたのだろうか。スウェーデン政府の感染症対策の顧問であるヨハン・ジェセック教授(Prof. Johan Giesecke)の論文が、世界5大医学雑誌の1つ『The Lancet』に掲載されている(5月5日付『見えないパンデミック』)。ジェセック教授は30年にわたり様々なパンデミックを経験してきたエキスパートだ。この論文で目を引く点が2つある。まず、ロックダウンを行わない理由が「証拠がないから」といたってシンプルである点だ。