PRESIDENT Online 掲載

相手の笑顔を引き出すにはどんな会話をすればいいか。カウンセラーの藤本梨恵子さんは「素人が笑いを会話に盛り込むには、『誰しも最大の関心事は自分自身である』という大原則を活用することだ。トップセールスや人間関係がうまくいっている人は、鉄板ネタで会話を盛り上げるのではなく、必ず周りにいる人が会話に参加できるように気を配っている。相手を巻き込むほど、あなたの話は聞き入れられ、会話も盛り上がるようになる」という――。

※本稿は、藤本梨恵子『なぜか惹かれる人の話し方 100の習慣』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

■オウム返しで無意識の相手の「YES」を引き出す

卓越したコミュニケーションがとれる人は、カウンセリングの傾聴のスキル「オウム返し」を使い、ラポール(信頼関係)を構築して会話を弾ませます。

実は、脳は外部からの情報に対して、安全で受け入れていい情報はYES、危険で拒否すべき情報はNOと無意識にジャッジしています。だから、この検問を突破しなければ、何を話しても相手には響きません。

突破するためには、「オウム返し」が有効です。

営業「少し、日焼けされましたか?(「YES」としか答えられない質問)」
お客様「そうなんですよ(YES)。先日、沖縄旅行に行ってきたんですよ」
営業「沖縄旅行に行かれたのですね。うらやましいな〜」
お客様「はい(YES)。楽しかったです」

このようにオウム返しは相手が話した言葉を繰り返すので、相手は声に出さなかったとしても、無意識に「うん」「はい」など「YES」としか答えようがない会話になります。