女子プロ界きっての名伯楽、スターダム ロッシー小川社長に現在・過去・未来についてロングインタビュー⑤

女子プロ界きっての名伯楽、スターダム ロッシー小川社長に現在・過去・未来についてロングインタビュー⑤

女子プロレス界で多くのトップ選手を輩出するスターダム。

業界歴41年の女子プロ界きっての名伯楽、ロッシー小川社長に現在・過去・未来についてロングインタビュー!

【新人発掘】

山口:ロッシーさんが素材を見抜く力というか、どういう子がいけるなと感じますか?

ロッシー:あのいけると思っても、ビジュアルがいい子っていっぱいいるじゃないですか。今いろんな団体があって。でも本当に団体として栄えるのってその子達がちゃんとしたプロレスを出来るかどうかなんですよ。ちゃんとしたというか、スキルの高い。結局プロレス団体なので、ビジュアルだけ良くても駄目なんですよ、ビジュアルがいいに越したことはないですよ。そりゃ2つ兼ね揃えているのが一番いいですけど。

山口:まずはプロレスですもんね。

ロッシー:どっちでもいいと思うんですよ。入口はどっちでもいいんだけど、ビジュアルからの子はよっぽど頑張らなきゃ駄目ですね。ある程度まではいくけど、もっといくにはプロレス技術やスキルがないと。でも自分はそこまでさせないですもん。そこがスターダムの聖域なんで。それを簡単にさせちゃったら駄目だと思うし。ある程度まではチャンスを与えるけど、それ以上はちゃんとなっていかないと。線引きをしていかないと勘違いをしちゃうしね。

山口:今は色んな形のプロレスがあるのでプロレスラーの線引きが難しいですね。

ロッシー:それもいいんだけど、本当にプロレスラーとして認められるにはそれだけでは駄目だね。それがその人気だけですごいものがあれば別だけど、そういうことじゃないじゃないですか。人気と実力の2つがうまい具合に兼ね備えているのが当然ながら。

山口:そうですね、今回世代交代までではないと思いますが、渡辺桃さんが出てこられたというのも。

ロッシー:まあ世代といってもイオと10歳位違いますからね、ひと世代違ってきますよ。渡辺桃の例が出てますけど、本当は10代後半で出てくるのが好ましいですよね。ハタチに届く前くらいに1回上がってきて、ハタチから25歳くらいまでで完成して終わっていくという(笑)

山口:(笑)

ロッシー:でも今は30歳ですかね。これやっぱり自分も男性だから思うんですけど、男性って新しいものが好きなんですね。絶対数からいったら。古くていいものもあるかもしれないけど。でもプロレスって観る方が哀れんじゃ駄目じゃないですか、かわいそうだなとか、よくやってるなぁとか思ったら駄目なので。

山口:そうですね。ニュースターっていうのは、ワクワク感や若返った感が出てきて、いい風が吹いているなって思いますよね。

ロッシー:団体としてはこれが新しいスターですよっていうのをどんどん出していったほうがいいと思うんですよ。それをファンがどうかっていう問題は別にあるし。それも提示していかないとどうにもならないし。

山口:それもプロデューサーとしての腕の見せどころですね。

ロッシー:繰り返しですね。常に同じことを41年間。ここまではいけるんだけど、これ以上はいけないというような。

山口:じゃあ壁を感じているという。

ロッシー:壁は常に感じてますね。

山口:その常に上昇志向というか、足掻き続けるというスタンスが成長をさせてくれているんですかね?

ロッシー:もう足掻きたくないんですけどね(笑)。なんとかもうひと皮剥けさせてよと思うんだけど、常に足掻いてる。もうそんな小さなことまで気にしてるのってことまで気にするかもしれないし。

山口:ロッシーさんの性格はご自身ではどういう性格だと思われてるんですか?

ロッシー:なんだろうな。細かいことと大雑把なことが両極端にあるんじゃないですかね。でも最近思うのは、自分がやれる範囲ていうのは限られているから、いかにうまく人を使うかなんだろうなと。自分でなんでも出来るわけじゃないし。

山口:選手からはロッシーさん、どういう風に思われてると思いますか?

ロッシー:どう思われてるんですかね。難しいですよね、友達じゃないから。俺はちゃんと給料を払っていけば、いい給料を払えば彼女達にはとっては最高なんだろうし。

山口:年齢差を感じることとかもあると思いますが、選手とのコミュニケーションで気をつけていることはありますか?

ロッシー:難しいですね、女の子だから。なんだろうな。まあ、どこかに勞ってあげなきゃいけないこともあるじゃないですか。

山口:心のケアであったり、体のケアであったりですか?

ロッシー:心のケアも体のケアも出来ないですけど(笑)。なんだろうな、本当はあまり接触したくはないんですよね。接触したくないというか、あんまり蜜になっちゃってもどうなのかなと思って。

山口:じゃあクラッシュ時代との繋がりかたとは全く違った形ですか?

ロッシー:いや、もうそれは全く違いますね。もう自分は一番上に立ってるわけだから、そういう目で見てるし。ただあまりそういう所ばかり出しても、人はついてこないし。

山口:選手とはたまに話したりとかしたりするんですか?

ロッシー:話す時間を設けたりとかはなかなか出来ないですけど、会場行ったら1回は声かけますよ。

山口:各選手?

ロッシー:別に回って歩くわけじゃないけど。

山口:あと会場に軽食がありますよね。

ロッシー:あ、ケータリング?そうだね、毎会場ね。

山口:そうそう、ちょっとびっくりしました。あれもケアのひとつですよね。

ロッシー:ひとつなんだけど、当たり前になっちゃってるよね。他の団体でこれを見た人は「え?こんなことまでやってるんですか?」ってよく言われるけど、うちでは当たり前のシステム。

山口:じゃあまた新システムを検討中?またWWE行かないとですね(笑)

ロッシー:新システム?どうなんだろう。そうですねー、もうちょっと頂点に行きたいですね。プロレスのことだけを考えたい。経営とかね、そうは言っても数字のことばっかりですよ、頭の中。

山口:やっぱり経営者って数字ありきで仕事をしなくてはいけない部分はありますもんね。

ロッシー:だからね、選手のことも数字で見てますよ。どこかで。これだけ今日は試合内容がよくて盛り上がってるのに、物が売れないなとか。それって必ずしも比例するもんじゃないんですよ。だから自分の中の価値基準は、会場を沸かせられる選手、またはグッズを売上げられる選手。

山口:会場人気も判官びいきで応援するファンも結構いますしね。

ロッシー:でもなんだっていいんですよ、支持があれば。その人の存在理由があるわけですから。

山口:たしかにグッズの売上は如実に数字に現れますからね。

ロッシー:それが全てではないんですけどね、ひとつのバロメータになりますよね。それが売れる選手は当然ギャラのプラスアルファが多くなりますもんね。だから1ヶ月、同じくらいのキャリアの子が働いても売れる選手のほうが支払いが多くなりますよね。それがだってプロだから。一緒の訳がないし。でもなんか、それが全ての女子プロレスラーの所得番付を仮に公開されたとして、スターダムの選手はベストテンに何人いるのかなとか。そしたらそれなりのものを払っていかなくてはいけないですよね。スターダムがトップだとか言っておきながら、そんなにもらってないな、なんてなりたくないもんね。それはトップ団体の努めじゃないですかね。じゃないとトップ団体とは言えないですよね。

山口:新しい人にも夢を与える職業であってほしいですよね。

ロッシー:ただ給料公開してるわけじゃないから、内部でも分からないけど。でも立ち振る舞いで分かるじゃないですか。お金が全てじゃないんですけどね、あるほうが嬉しいじゃないですか。

山口:そりゃ嬉しいですよ!

※次回に続く


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