広島県福山市は、地域のバラ花壇を巡るガーデンツーリズムに力を入れています。今回、その候補花壇が審査によって選ばれました。

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福山市で2025年に開かれる世界バラ会議の機運醸成や、その後のレガシーに結びつけるため、福山市などは、市の花「バラ」を巡るツアーを計画しています。秋ごろにモニターツアーを行い、来年度の本格実施に結びつけたい考えです。

市などは2023年度、「ばら公園」や「ガーデン富谷」など観光客の受け入れ環境が整っている12か所の公園などを選出しました。これらの公園をとりまとめた計画がことし3月、国のガーデンツーリズム制度に登録されました。

福山市 観光戦略課 山本正彦 課長
「世界中のバラの愛好家あるいは花の愛好家の方々が来られて、そこで地域とのふれあいを体験していただく、そういったツアーにつなげていきたい」

市などは、ツアーに活用できる魅力あるバラ花壇の掘り起こしのため、恒例の「ばら花壇コンクール」でガーデンツーリズム部門を設けました。

24の花壇が応募し、5月13日、大賞に3つの花壇、優秀賞に6つの花壇が選ばれました。これらの花壇は今後のツアーの候補地としてルートに組み込まれてくる可能性があります。

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大賞の「おおもとウィメンズクリニック」の花壇です。見所を 大本裕之 院長に教えてもらいました。

大本裕之 院長
「せまい駐車場の周辺を利用しているので、なるべく立体感を出したりして、ボリュームあるような花壇にしています」

花壇には、クリニックを取り巻くように70品種200本のバラが咲き誇っています。今後、クリニックが観光地になるかもしれません。

大本院長
「普段から患者さん以外も(バラを)見られていますから、そういう意味の延長だと思っています」

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能宗呉服店の花壇では、道をはさんだ向かい側にも約150品種350本が咲き誇っています。店主の 能宗隆 さんと、妻の百合子さんが2人で手入れする花壇です。

ことし、一つ手を加えたそうです。

能宗隆 さん
「パーゴラを作って、ちょっと写真を撮れるかなとか」

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また、こちらのバラ花壇では、バラへかける薬剤の量も減らしているそうです。

能宗隆 さん
「福山市民がバラを植えているということをね、植えた者の一人として、ぜひ、みんなと一緒にチームワークを組んで、福山をアップさせていきたい」

戦後復興の象徴として市民の手によって育て続けられてきた福山のバラが観光資源として生かされていきます。