新型コロナウイルスによる肺炎の拡散で現代自動車などの韓国自動車メーカーが稼働中断に追い込まれた。中国からの部品供給が途絶えたためだ。いち早く供給先を多角化したトヨタ自動車などは正常稼働で、韓国各紙は「対中依存度引き下げは国家的課題」などと訴えた。

朝鮮日報によると、新型肺炎のために中国製部品供給に支障が生じ、現代自動車と起亜自動車は10日に韓国国内の工場7カ所の稼働を全面中断した。電子装置をつなぐワイヤリングハーネスという部品の供給が止まり、在庫が尽きたからだ。

世界的な供給網を有し、事情が良かったルノー・サムスンも工場の稼働中断を検討している。韓国国内の自動車生産の80%を占める現代・起亜自が工場を閉鎖したら、およそ8000の協力企業も連鎖的に打撃を受け、その被害は甚大だ。中国製部品一つのせいで自動車産業全体がマヒするという未曽有の事態が起きたわけだ。

韓国とは対照的に、トヨタ自動車は正常に稼働している。一部の中国製部品の調達に支障が生じたが、東南アジアや日本国内の協力企業から代替調達することで、大きな支障もなく工場を動かしている。

ほかの日本企業も中国に大挙進出していて被害が予想されているが、韓国ほどではない。東南アジアなどに部品供給元を多角化していたおかげだ。特に2010年の尖閣諸島(中国名・釣魚島)領有権問題で中国が貿易報復を加えてくると、中国以外の地域に生産拠点を追加建設する「チャイナ・プラスワン」戦略で対中依存度を大きく引き下げた。

朝鮮日報は社説で「中国で新型肺炎のような伝染病は今後も発生し得る。構造的に問題を抱えているからだ」と指摘。さらに「中国は外交問題をめぐり経済で報復することにためらいがない国だ。報復のやり方も手荒で暴力的だ。こんな中国に対する経済依存度は今や韓国の主権と安全保障に影響を及ぼすレベルになりつつある。対中依存度を下げることは切迫した国家的課題だ」と論じた。

ハンギョレ新聞も「韓国企業、中国市場依存を省みる時だ」との社説を掲載。「中国市場依存の危険性はすでにTHAAD(高高度防衛ミサイル)に対する報復と米中貿易あつれきで痛感している。『中国がせきをすれば韓国が風邪をひく』という言葉が流行するほどだ」と言及し、「単純に賃金などの費用削減や大企業の同伴進出要求に伴う現地工場設立はもう少し慎重であるべきだ」などと警鐘を鳴らした。(編集/日向)