中国メディアの中国商報は28日、独スポーツ用品大手のアディダスが新型コロナウイルスの流行により危機にひんしているとする記事を掲載した。

記事は、「アディダスの今年の第1四半期(1〜3月期)の世界での売上高は前年同期比19%減の47億5000万ユーロ(約5494億円)、営業利益は93%減の6500万ユーロ(約75億円)、純利益は96%減の2600万ユーロ(約30億円)だった。中国市場では在庫の滞留や注文の取り消し、貸し倒れの増加により2億5000万ユーロ(約289億円)の損失が出ている」と伝えた。

続いて、「アディダスは閉鎖している世界の店舗の再開時期を決めることが困難なため、通期の見通しを示すことができないとした。新型コロナウイルス流行の影響が次第に現れてくるにつれ、今年の第2四半期(4〜6月期)の売上高の下げ幅はさらに大きく、前年比で40%以上になると予想している」と説明。アディダスグループのカスパー・ローステッド最高経営責任者(CEO)が、突然の新型コロナウイルスの流行によって情勢が非常に厳しくなったとの見方を示したことに触れ、「アディダスは目の前の困難な状況に対応することに専念し、中国市場の回復と電子商取引に重点を置く方針だ」と伝えた。一方で「同氏は、人々の外出が許可されれば、スポーツ用品の販売量は急速に増えるだろうと楽観している」とも伝えた。

記事はまた、「軽視できないのは、アディダスが深刻な在庫危機に直面しているということだ」と指摘。「クレディ・スイスの19日の発表によると、アディダスは今、過剰に在庫を抱え、利益率が著しく低下している。アナリストはアディダスが余剰在庫を処分するのに1年以上かかるとの見方を示している」と伝えた。

そして、「中国市場はアディダスが非常に重視してきた市場で、在庫を整理するためにアディダスはオンライン上で狂気的なセールを行っている」とし、「特売デー」「親子の日」などさまざまな名目でキャンペーンを行っていることを紹介。中国商報の記者が調べたところ、249元(約3760円)の女性用半袖Tシャツが現在は79元(約1190円)で販売されていたという。

記事によると、アディダスは一部の実店舗でも2つ商品を買うと安い方の商品が無料になるセールを行っている。また、アディダスは市場に在庫が過剰にたまるのを防ぐため、今年2月に卸売業者への商品の出荷を停止して在庫を回収し、今年後半に直営店で再販売する予定だという。

ファッション業界の専門家、劉亮(リウ・リアン)氏は、「アディダスが流通業者から在庫を回収しているのは、値下げを防ぐためだ。業者にとっては現金が最も重要で、あまりにも長い間手元に商品をとどめるということは絶対しない。しかし、過度な割り引きは(店舗によって値段が変わるなど)アディダス商品の価格の混乱を招き、消費者に損害を与えるだけでなく、商品の利益率も下がる可能性があり、アディダスのブランドイメージに深刻な影響を与える」との見方を示したという。

記事は、「アディダスの総利益率はすでにセールによって下がっている。アディダスの発表によると、昨年の第1四半期の総利益率は53.6%だったが、今年は49.3%に下がった」とした。(翻訳・編集/毛利)