2024年4月9日、中国メディアの環球時報に、日本で「鳴門の渦潮(うずしお)」を見に訪れた中国人の特約記者による記事が掲載された。

記者はまず、「日本の漫画『NARUTO―ナルト―』の主人公『うずまきナルト』の名前の由来は、四国・徳島県近くの鳴門海峡にある日本の自然現象『鳴門の渦潮』とも言われている。これは四国の徳島県近くの鳴門海峡で起こるもので、『世界3大渦潮』の一つとして知られ、毎年多くの観光客が訪れている。最近、環球時報の記者も渦潮の秘密を探るために鳴門海峡を訪れた」とつづった。

その上で、「初めてこの海峡に到着した時、前方の一見穏やかな海に引きつけられたが、実際には底流が激しさを増しており、穏やかな青い海が渦を巻き起こして円形の模様を描いていた。鳴門海峡にかかる大鳴門橋には、海を望む遊歩道『渦の道』がある。この『渦の道』は海面から45メートル離れ、全長450メートルにもわたる今回の目的地だ。鳴門海峡は瀬戸内海と太平洋を結び、『渦の道』を歩くと瀬戸内海と太平洋の広大な海を同時に見ることができる。観光客が渦潮を見つけて観察しやすいように、渦巻きに沿って数メートルおきにガラスの床が敷かれ、ガラスの床の上に立つと、足下に押し寄せる海水や押し寄せる波がはっきりと見える。『渦の道』の先端にある展望室の中央には八つの透明なガラス窓があり、渦潮を真上から観察できるようになっていた」と紹介した。

さらに、「『渦の道』を歩きながら、一歩一歩展望室に近づいていくと、海水が堤防に激しく打ち寄せていたが、徐々に穏やかになり、渦が発生した場所に近づくと再び荒れてくる。大鳴門橋では風と波の音が交錯し、時折大型トラックが通り過ぎていくと、そのごう音が早く前に進むように促しているようだった。展望室に近づくにつれて、足元の渦がどんどん増していくが、それはまるで画家が軽く描いた線画のようで勢いはなく、時折白い波を起こすだけの海の上に敷き詰められた真珠のように見えた」と伝えた。

記者は、「待っている間、自然の驚異である『鳴門の渦潮』が、太陽や月の重力と地球の海洋との相互作用や海峡の地形の影響によって発生することを知った。鳴門海峡は二つの海域を結ぶ狭い海峡であるため、1日に2回満潮と干潮により大きな水位変化を起こす。満潮時には紀伊水道から鳴門海峡を通って瀬戸内海に海水が流れ込み、同時に海峡の反対側では低水位が形成され、その水位差により狭い海峡の水の流れは非常に速くなる。その平均速度は時速約13〜15キロ、大潮時には時速約20キロにも達するという。さらに海底の地形は水流に影響を与え、海峡の中央部は海底が低いため水流が速くなり、両岸に近い部分は浅瀬などの影響を受けて水流が比較的遅くなる。この水流の違いが見事な渦潮を形成するのだ。鳴門の渦潮の大きさは、太陽と月の引力の影響を受けており、月と太陽の引力によって海水は定期的に満ち引きし、月と太陽が一直線に並ぶと、その引力作用は同じ方向に働き、満潮と引き潮の規模が大きくなる。このような『大潮』の時期には、鳴門の渦潮の直径が約20〜30メートルに達し、巨大な渦潮の迫力ある光景が楽しめるのだ」と説明した。

続けて、「どれだけ待ったかは分からないが、ようやく海面の変化を見ることができ、大小の渦がますます鮮明になるのが分かった。鳴門の渦潮は徐々にその真の力を現し始め、渦の中心に白い泡が立ち上がり、周囲のものをすべて巻き込むような白い波が押し寄せた。展望室に立つと、ガラス越しにもこの渦の力を感じることができた」と述べた。

最後に記者は、「『渦の道』を歩く以外にも、この驚くべき自然現象を鑑賞する方法はあるが、『うずしお観潮船』に乗るのが最も人気であり、最も刺激的な方法の一つだろう。通常、観光船は鳴門海峡の潮流が最も激しい場所を巡航しており、観光客は渦潮を間近に見ることができる。『うずしお観潮船』はゆっくりと渦潮のエリアに接近するが、ガラス板などの障壁がないため、高速回転する渦潮を目の前で体験できる。船によっては船体の水中部分にガラス窓が取り付けられており、水中から渦を観察することも可能だ。鳴門の渦潮の描写は、日本の文学や伝説に頻繁に登場し、地域の歴史文化と深く関わる地域の象徴となっている」と結んだ。(翻訳・編集/岩田)