中国が今年中に次世代の長距離ステルス戦略爆撃機「轟20」(H-20)を11月にも公開する可能性があり、日本などに直接的脅威になり得ると朝鮮日報が香港紙を引用して伝えた。H-20は20トンの兵器を積んで空中給油なしでも中国本土から米国領グアム島(片道約3100キロ)まで往復できるとされる。

H-20は尾翼のない全翼機。秘密のベールに包まれていた存在が明らかになったのは2016年9月で、当時人民解放軍空軍司令員だった馬曉天氏が「中国は次世代長距離爆撃機を開発している」と認めた。18年5月にはH-20開発を担当している西安飛機工業公司が公開したプロモーション動画の最後に「THE NEXT…」という言葉とともにカバーに覆われたH-20らしき機体が登場する。

諸元などは不明だが、米国防総省の中国の軍事力に関する年次報告書の18年度版では▽最低8500キロの航続距離▽最低10トンのペイロード▽通常兵器と核兵器の双方を運用可能―と推測している。多くの第5世代技術を採用し、中国が運用している「轟6」(H-6)系列の長距離戦略爆撃機とは異なり、レーダーに捕捉されないステルス機能を備えているとみられる。空中発射ミサイルを搭載する場合、攻撃範囲は一段と広くなる。

香港紙「サウスチャイナ・モーニングポスト(SCMP)」は4日、消息筋の話として「コロナ禍が収まった場合、中国は今年11月に開かれる珠海エアショー(中国国際航空宇宙博覧会)でH-20を披露する可能性がある」と報道。中国がH-20を公開する場合、日本や朝鮮半島、オーストラリアなどに対する直接的脅威になり得ると分析した。

さらに同紙は「H-20が実戦配備された場合、中国は三大核戦力をすべて備えることになるという点で大きな意味がある」と指摘した。三大核戦力は地上配備の大陸間弾道ミサイル(ICBM)、弾道ミサイル潜水艦(SSB)に搭載される潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)、そして戦略爆撃機を指す。

現在、ステルス戦略爆撃機を運用している国は米国だけ。米国は「空飛ぶ死に神」と呼ばれるB2戦略爆撃機を実戦投入しており、さらにB-21戦略爆撃機の計画も進めている。中国の主力であるH6系列の戦略爆撃機の場合、旧ソ連の爆撃機を基に開発され、米軍に比べると遅れていると評価されていた。

H-20について中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報は昨年、「米国のB-2に並ぶもので、(米中)格差を埋める」と報じていた。朝鮮日報は「H-20の登場で制空権を確保しようとする米中間の競争も激しくなる見込みだ」と解説。「中国はアジアの制空権を確保するため、次世代ステルス戦闘機の殲20(J-20)を実戦配備している。米軍もこれに対抗してF-35ステルス戦闘機の韓国、日本への配備を急いでいる」と言及した。(編集/日向)