中国紙・環球時報によると、ドイツのウェブサイトt-onlineに20日、「中国はいかにして世界の救世主になったのか」との記事が掲載された。原題は「中国はいかにして世界の救世主になったか、初めはマスク、現在はワクチン、一貫してコロナ外交を展開」だ。

記事は、「中国国民はもはや新型コロナウイルスを心配していない。国慶節(建国記念日)の連休初日の映画館のチケット売り上げは前年比で25%増えた」と説明。世界保健機関(WHO)のデータを基に、「第3相臨床試験を行っているワクチンの内、4種が中国のもの。ドイツ企業と中国企業が合同で開発しているものも合わせれば5種になる」とした。

その上で、「臨床試験を終えてはいないが、中国はすでにワクチン接種を開始している」とし、その数は明らかにされていないものの、専門家は「100万人を超えないにしても数十万はいる」と推定していることを説明。シノファームが未承認のワクチンを35万人に投与したこと、シノバックが9割の従業員とその家族らに接種させたこと、ファーウェイなど他の企業でも従業員に接種させることなどに言及し、専門家からは健康リスクを懸念する声もあることを伝えた。

また、「中国国内の感染リスクが実質的にゼロであることは国民にとって良いことだが、ワクチン開発にとっては悪いことだ。なぜならワクチンの実際の効果を知ることができないからだ」とし、中国が自国の他、ペルー、アルゼンチン、ブラジル、バーレーン、モロッコ、サウジアラビア、インドネシア、トルコ、アラブ首長国連邦(UAE)などで試験を行っていることに言及。その見返りとして、開発したワクチンを優先的に提供することを約束していると伝えた。記事はこうした動きを「マスク外交」に続く「コロナ外交」の一環であるとし、実際に米国のパートナーだったUAEが中国のワクチンを導入し、「新たな同盟」を結んでいるとした。

記事はさらに、中国が「ワクチンを世界に広く提供する」としていることも、臨床試験を行った国に優先提供するという約束と矛盾すると指摘した。ドイツの専門家ジェイコブ・マーデル氏は「中国が効果的なワクチンを大量生産する最初の国になれば、それは象徴的な意味を持つことになる」とする一方、「中国が世界の救世主としての地位を確立することにはリスクが伴う」とも指摘。マスクやワクチンの品質問題だけでなく、中国は過剰な約束をしていることのリスクがあるとしている。(翻訳・編集/北田)