埼玉県八潮市で発生した給食による集団食中毒が、中国で大きな注目を集めている。

■事件の経緯

報道によると、6月29日に同市の小中学校の児童・生徒ら計377人が下痢や腹痛などの症状を訴えた。保健所が調査した結果、市内で同様の症状を訴えた児童・生徒、教員らは3453人に上ったという。検査の結果、患者から病原大腸菌が検出されたといい、保健所は給食が原因の食中毒と断定。調理した施設を今月2日から3日間の営業停止処分とした。なお、患者はいずれも命に別条はないという。

このニュースは中国でも環球網など大手メディアが報じたほか、中国版ツイッター・微博(ウェイボー)のランキングでも「日本で大規模な食中毒事件発生」が一時トップ10に入るなど、大きな注目を集めている。

■中国での反響

中国のネットユーザーからは、「フェイクニュースでしょ。『日本ではトイレの水も飲めるほど清潔』と本に書いてあった」「フェイクニュース。日本の学校では校長が給食を試食して安全性を確かめてから生徒に出すと聞いた」「日本に食品安全問題が起こるなんてうそに違いない」「フェイクだ。日本では人々はみんな真面目で、子どもを大事にしている。こんなとんでもないことが起こるはずはない」などのコメントが寄せられている。しかし、多くは末尾にとぼけたような顔の絵文字が使われており、本当にフェイクニュースだと主張しているのではなく、日本を持ち上げるユーザーやそうした言論に対する皮肉が多分に込められているようだ。

実際、「精日(※精神日本人。中国人でありながら精神的には日本人と考える人々を指す。「親日」に近い意味で使われることも)が言っていた日本とは違うよな」「親日派はこれをどう説明するのかな?」といったコメントも少なくない。中国のネット上では以前から日本の清潔さや教育制度を称賛する文章が出回っており、現在でも個人ブロガーなどのセルフメディアを中心にそうした文章が投稿されている。上記の「日本ではトイレの水も飲めるほど清潔」「日本の学校では校長が給食を試食して安全性を確かめてから生徒に出す」などは中国との比較として繰り返し使われている話だが、日本を神格化するような行き過ぎた称賛には反発もある。

■中国のカビ騒動

また、「これがもし中国で起きていたら、また『お隣の日本はあんなに清潔なのにわが国は…』という話になっていただろう」という声も。中国四川省成都市の学校で昨年3月、食堂の食品にカビが生えていたという情報が出回り、大きな騒動に発展した。この時、日本で実際に行われていることとして「教師や校長が子どもたちと同じものを食べる」ことが紹介され、大きな反響を呼んだ。中国メディアは日本の学校給食を紹介したカナダ人制作の動画が取り上げ、「この動画は海外のネットユーザーの称賛や感慨を引き起こした。私たちはスタートラインですでに負けているんだと。(この動画は)日本の教育に対する認識を反映している」などと伝えた。

中国教育部などはその直後、幼稚園、小学校、中学校の責任者に対して児童・生徒らと一緒に食事をすることなどを求めた新たな規定を設け、同年4月から施行した。

■韓国でも食中毒騒動

今回の日本の騒動についてはほかに「韓国でも食中毒事件がなかった?」という声も寄せられている。韓国京畿道安山市の幼稚園でも先月末、園児やその家族、教職員ら100人余りに食中毒の症状が現れる事件があった。韓国の疾病管理本部は、園の調理師、食品、調理器具、教室、トイレなどを検査したもののいずれからも菌は検出されなかったといい、感染ルートを詳しく調べている。(翻訳・編集/北田)