2020年8月10日、環球時報は日本で流行している新型コロナウイルスの東京変異型の危険性に対する専門家の見方を紹介する記事を掲載した。

記事は読売新聞の報道を基に、「日本で3月から感染が拡大した第1波の時は、主に欧州系統の遺伝子配列を持つウイルス株だったが、6月から東京を中心に感染が拡大している新型コロナウイルスは新しいタイプの遺伝子配列で、日本各地に拡散している」と紹介。現在感染が確認された人のほとんどがこの変異型のコロナウイルスだという。

これについて、武漢大学医学部ウイルス研究所の楊占秋(ヤン・ジャンチウ)教授は、「日本はまず、変異したウイルスがどこから来たのかをはっきりすべき」との見方を示した。ウイルスは同じような環境下では変異する速度が遅くなるからで、通常は年単位で変異するという。それで「わずか数カ月でウイルスの変異型が出現したということは、外部環境からもたらされた可能性が高い」としている。

楊教授は、「海外の新型コロナウイルス対策は比較的緩い。日本で発見された変異型は海外から来た可能性が高く、日本はしっかりと研究すべきだ。これは北京の新発地市場での感染を招いたウイルスが中国株ではなかったのと同じで、欧州でよくみられるタイプであり、現在のところ中国では流行していない」と語った。

では、日本の変異した新型コロナウイルスはワクチン開発に影響を与えるのだろうか。ワクチン専門家の陶黎納(タオ・リーナー)氏は、現在開発中のワクチンは昨年12月から今年1月にかけて獲得したウイルスを基にしていると指摘。現在のウイルス株は変異しているが、調整が必要かどうかはしばらく観察する必要があるという。

陶氏は、「変異したウイルスの遺伝子座がワクチン作用のポイントとなる遺伝子座であるかどうかが重要だ。今のところ、変異型の遺伝子座がワクチンの遺伝子座と同じである証拠はない」と語った。陶氏によると、第一世代のワクチンが開発できれば、ワクチン開発全体の8割は成功したと言え、変異型のウイルスがあっても、その変異型を加えて調整すればよいという。

別の匿名の専門家は、「RNAポリメラーゼのフィデリティは高くはないので、変異しやすいというのは想定の範囲内」と述べている。そして、「ウイルスの変異は多くの場合、免疫原性や抗原性の変化をもたらすことはなく、ワクチンの有効性に影響を与えない。そのため通常はウイルスの変異に対する予防措置は必要なく、心配する必要もない」との見方を示した。

楊教授は、「変異型の新型コロナウイルスのことでうろたえる必要はなく、マスクの着用や手洗いなどの自己防衛手段を行っていればよい」と述べている。(翻訳・編集/山中)