台湾の最大野党・国民党が中国福建省で開催予定の中台の民間交流イベント「海峡フォーラム」への代表団派遣を中止した。中国国営中央テレビが(CCTV)が「和解を乞いに来る」と報じたためで、親中路線の国民党としては異例の強硬姿勢だ。

海峡フォーラムは国民党・馬英九政権時代の2009年から毎年開催されてきた。国民党は8日、アモイで19日から開催のフォーラムに王金平・元立法院長(国会議長)が率いる代表団の派遣を発表していた。中国は16年以来、対中強硬路線の台湾与党・民進党との交渉を拒否。民進党は「統一工作の一環だ」として、フォーラムへの党員の出席を禁止している。

台湾・中央通信社などによると、CCTVは10日の時事問題番組で、国民党代表団に関し「和解を乞いに来る」と報道。多くの台湾市民が国民党を中国寄りすぎると見なす中、CCTVの論調を受けて、代表団の派遣中止を求める世論の圧力が高まり、国民党はCCTVが謝罪に応じないとして欠席を決めた。同党は10日、主催の中国国務院台湾事務弁公室(国台弁)に抗議し、江啓臣党主席(党首)も11日、「受け入れられない」として中国側に謝罪を求めていた。

国民党は14日、記者会見し「両岸(中台)関係は複雑かつ敏感で、不適切な論評や行為により、善意と相互信頼の積み重ねが深いダメージを受ける」と中国側に警告。国民党の王育敏文化・伝播委員長は記者団に対し、「(中国が)両岸間の友好的で平和的な交流を維持したいのならば、このような不適切な発言はすべきでない。両岸間の相互の信頼は今、非常に不安定な状態にある」などと述べた。

国民党は1月の総統選で再選を目指した民進党の蔡英文氏に敗退。同時に行われた立法院(国会、定例113)選でも民進党は過半数を確保した。8月の南部の主要都市、高雄の市長選でも国民党は民進党に大敗した。

特に総統選で最大の争点になったのは本土との関係。香港問題や米中対立といった国際情勢が蔡氏の追い風になり、中国への警戒感を強めた若者を中心とした有権者の支持を広げた。国民党にとって今後、中国とどう向き合うかは「踏み絵」にもなりそうな雲行きだ。(編集/日向)